REVIEW(09/12/25)

1枚絵を動かして2Dアニメーションを手軽に作成できる「PlaneRunner」

メッシュ機能を利用して1枚絵からアニメを作成、パーティクルも利用可能

「PlaneRunner」v1.0.20091220「PlaneRunner」v1.0.20091220

メッシュは、画像をもとに自動で生成してくれる。無視する領域をペンで塗ることで最適化させることも可能メッシュは、画像をもとに自動で生成してくれる。無視する領域をペンで塗ることで最適化させることも可能

 「PlaneRunner」は、画像などのオブジェクトをもとに2Dアニメーションを作成できるソフト。Windows XPに対応しており、編集部にてWindows Vistaでも動作確認した。なお、動作には.NET Framework 2.0以降およびDirectX 9.0c以降が必要。3,800円のシェアウェアだが、30日間の試用期間後は広告つきのフリーソフトとして全機能を継続利用することも可能。現在、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、オブジェクトの移動や拡大・縮小、回転、中心位置の変更などにより、アニメーションを作成する。オブジェクトには、読み込んだ画像のほか単色背景やテキストといった“スプライト”を利用可能だ。また、画像の一部分を変形させることで1枚絵を簡単にアニメーションさせる“メッシュ”機能を備えている。さらに、パーティクル(細かな粒子の集合)を利用した派手なアニメーションを作成できるほか、サウンドの再生、ゲームのようなイベントの設置といった高度な使い方も可能になっている。

 本ソフトでは、作成したアニメーションは独自形式のファイルとして保存される。このファイルは、作者サイトで公開されている各種ツールを利用することで、AVI形式の動画の保存やスクリーンセーバーの生成、Silverlightを使ったWeb上での再生が可能となっている。また、出力したファイルをほかのソフトに組み込んで表示させるための再生エンジンも公開されている。

 画面構成は、中央にレイアウトビューやオブジェクトビューといった作業領域、その左右と下に各種設定が配置されている。左側は、画像などの“リソース”の一覧やオブジェクトの状態、右側はオブジェクトの親子関係を表すツリービュー、下側はオブジェクトの選択とキーフレームを設定する領域となっている。作成したアニメーションは、画面左上の[再生]ボタンをクリックすることで再生できる。

 オブジェクトはツリー構造で親子関係を作れるため、グループ化した画像などをまとめて変化させることが可能だ。メッシュ機能では、このツリー構造を使い画像の一部を擬似的な関節のように扱うことができる。オブジェクトは、リストの下のものほど手前に表示されるので、複数配置する際は並べる順番を工夫するとよい。

 アニメーションは、変化の具合をパスで設定したり、色の変化を設定したりといったことができる。そのほか、フレームごとに指定したラインに沿ってオブジェクトを整列させられる“ライン吸着”機能を使って、複数のオブジェクトをマスゲームのようにまとめて動かすことが可能。また、オブジェクトごとにアニメーションをループさせることもでき、ループは位置だけ、サイズだけといった個別の設定を行える。さらに、ループ終了からループ開始へ戻るのにかかるフレーム数を指定して、戻る際に逆回しのアニメーションをさせるような設定も可能だ。

 なお、本ソフトにはアンドゥ機能がないので、こまめに保存するなどの注意が必要だ。また、ヘルプはWebサイト上にあるので、URLのショートカットをデスクトップなどに作成しておくとよい。

AVI形式で出力したムービーをFLV形式に変換したサンプル(約28秒)

【著作権者】
seri 氏
【対応OS】
Windows XP(編集部にてWindows Vistaで動作確認)
【ソフト種別】
シェアウェア 3,800円またはフリーソフト(広告つき)
【バージョン】
1.0.20091220(09/12/20)

(クロノス・クラウン:柳井 政和)