REVIEW(10/10/28)

螺旋状に進む時間の中で過去の自分と共闘するシューティングゲーム「HISTORICA」

時間を繰り返すたびに上のラインへ移動、下のラインでは過去の自分のプレイが再生

「HISTORICA」vol.4「HISTORICA」vol.4

 「HISTORICA」は、過去の自分と共闘しながら数秒間のサイクルを繰り返して少しずつ先へ進む2Dシューティングゲーム。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。

 画面は一般的な縦スクロール型の2Dシューティングのようだが、自機は縦方向へ移動することはできず、フィールド上に引かれた水平のラインに沿って左右へのみ移動可能。ラインはフィールド上に何本も引かれており、ゲーム開始時は一番下のライン上でショットや近接攻撃を駆使して敵と戦うことになる。しかし、数秒が経過すると自機や敵の放った弾はすべて消滅し、倒したはずの敵が蘇って画面がゲーム開始時の状態に戻る。

 ただし、このとき自機は下から2番目のラインへ移動するほか、一番下のライン上では先ほどまでの自分のプレイが再生され、同じ動きで敵を倒し始める。このように本作では、過去の自分のプレイと共闘することが可能。これを繰り返してリプレイを増やしつつ、1本ずつ上のラインへと移動してゲームを進めていくのだ。

 また、残機の概念がないのも大きな特徴。敵にぶつかったり敵のショットに当たるといったミスを犯した場合、ゲームのプレイが巻き戻される。具体的には、次のラインへ移動するまでの時間が半分以上経過していた場合は、現在のラインの開始時まで戻り、半分以下しか経過していない場合は、前のラインの開始時まで巻き戻る。

 ステージクリアの条件は、画面右上に表示されたタイムが0になる前に“FINISH”と書かれたフィールド最上部のラインまで到達すること。ゲーム中にミスを犯した場合、プレイ内容は巻き戻るがタイムは巻き戻らず、常に減り続ける仕組みとなっており、ミスを重ねれば時間が足らずにゲームオーバーとなってしまう。

 こういった独特なゲーム性を活かしたスコアの計算方法も面白い。敵を倒すとスコアが加算され、現在のラインが始まってから早いタイミングで倒すことでより多くのスコアを得られる。ただし、ラインを移るたびにスコアはリセットされ、最終的なスコアは最も多くスコアを獲得したライン上でのスコアとなる。

 ゲーム中は、現在のプレイのなかで最も多くスコアを獲得したラインのスコアと、そのステージで獲得可能な最高スコアを確認可能。ステージは全9面が用意されており、それぞれ最大3種類の難易度から好きなものを選択してゲームを開始できる。すべてのステージをクリアしたあとは、どれだけ最高スコアに近付けるか挑戦してみよう。

【著作権者】
不思議キッチン
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
vol.4(10/09/14)

(加藤 達也)