REVIEW(11/07/27)
2D RPG風に演出された短編ビジュアルノベル三部作“ロンド”“ポルカ”“カノン”
“魔法石”にまつわる悲喜こもごもな出来事を描く
「地下99階のロンド -Mistake Lv99-」「眠れぬ夜のポルカ -Deep Sleeper-」「まだ見ぬ楽園へのカノン -Blessing Lv99-」は、“地の文”がほとんどない会話主体の小説に、2D RPG風の演出を加えた短編ビジュアルノベルの三部作。「地下99階のロンド -Mistake Lv99-」はWindows 98/Me/2000/XP/Vista/7、「眠れぬ夜のポルカ -Deep Sleeper-」「まだ見ぬ楽園へのカノン -Blessing Lv99-」はWindows XP/Vista/7に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。
プレイ画面は、右側にサウンドノベル風の文章が表示され、左側に2D RPGのイベントシーンのようなグラフィックの演出が表示される。文章が進むにつれてグラフィックの演出も進んでいく仕組み。
会話だけで構成された小説はどうしても情景描写などが薄くなってしまいがちだが、本三部作は“地の文”で描写する代わりに、2D RPG風のグラフィックやスーパーファミコン風の効果音といった演出を導入することで、直接的でわかりやすく情景や登場人物の行動を描写している。RPGをプレイしている感覚で楽しめる上、それぞれ10分から30分程度で読み終わる分量なので、文字だけの小説は苦手だという人にもおすすめ。
本三部作は、“魔法石”によって魔法が使える世界を舞台に、王立特殊活動部隊の隊長と部下が活躍するファンタジー。「地下99階のロンド -Mistake Lv99-」では“魔法石”を取り戻しに魔物たちの住む地下迷宮に潜っていくさまが描かれる。さらに、「眠れぬ夜のポルカ -Deep Sleeper-」では廃墟となった研究所跡を調査する様子を、「まだ見ぬ楽園へのカノン -Blessing Lv99-」では遺跡の地下深くで遭難した行方不明者たちの捜索を描く。また王立特殊活動部隊のメンバーのほかに、王国の姫や2人組の盗賊、侍や聖職者などが登場し、物語のキーとなる。
各作品ともに、ギャグを交えた軽快なやり取りやシリアスなシーンで構成された本編の幕間に、ひらがなだけでおとぎ話風に描写される“いし”の物語が挿入される構成になっている。本編はそれぞれ1作で完結しているが、三部作は“いし”の物語も含めて緩やかにつながりがあるので、作品が公開された順に読んでいくとより楽しめるだろう。
「地下99階のロンド -Mistake Lv99-」
- 【著作権者】
- 樹ひかり 氏
- 【対応OS】
- Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.00(10/12/19)
「眠れぬ夜のポルカ -Deep Sleeper-」
- 【著作権者】
- 樹ひかり 氏
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.00(11/02/19)
「まだ見ぬ楽園へのカノン -Blessing Lv99-」
- 【著作権者】
- 樹ひかり 氏
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.02(11/06/11)