レビュー
豊富な素材が用意されたシミュレーションRPG制作ソフト「SRPG Studio」
マップや背景、戦闘アニメーションなどを同梱。これだけでゲームを作成できる
(2015/4/28 18:33)
「SRPG Studio」は、豊富に用意された素材を利用してシミュレーションRPGを作成できるゲーム制作ソフト。本ソフトには体験版と製品版があり、体験版では配布用ファイルの作成や、マップやデータの総数などに制限がある。製品版を購入することですべての機能が利用可能。製品版は5,940円(税込み)でダウンロード販売されている。対応OSはWindows Vista/7/8で、これは作成したゲームの動作環境も同様となる。
本ソフトを利用すると、ユニットやクラス、武器、アイテム、スキルなどのデータを入力し、マップを作成してユニットやイベントを配置することで、コーディングなしでシミュレーションRPGを作成可能。作成できるゲームは、正方形マスの平面マップ、敵・味方交互のターン進行、キャラクターがアニメーションする戦闘シーン、会話ベースの各種イベントシーンといった仕様を備えたものとなる。
いきなりゼロからすべてのデータを作成するのは大変なので、まずはサンプルを確かめて改造するところから始めるのがよいだろう。メニューの[ファイル]から[サンプルゲームのロード]項目を選ぶと、一通りのデータが入ったシミュレーションRPGのプロジェクトが作成される。サンプルゲームのロードは体験版でも行えるので、製品版を購入する前の評価として、このサンプルゲームのデータを触ってみることをお勧めする。
ソフトに用意されている素材は、マップや背景、キャラクターの顔グラフィックや、戦闘用のアニメーション画像、BGMやSE、さらにはメニューやゲージといったUI素材など豊富。ファンタジー系の素材が用意されており、いずれもクオリティが高く、そのまま付属の素材を使うだけでも1本のシミュレーションRPGを作成することが可能だろう。ソフトにあらかじめ用意されている素材以外にも、オリジナルの画像や音声を追加することもできる。
ゲーム自体のデータは、[データ設定]ウィンドウから設定する。[プレイヤー][クラス][武器][アイテム][スキル][地形効果]といったタブが並んでおり、ここでパラメーターを変えることで、オリジナルのゲームにすることが可能。また、[コンフィグ]タブを選択することで、画面解像度やタイトルなど、ゲーム全体の設定を行える。そのほか戦闘アニメーションの編集や、敵の行動パターンの設定なども可能だ。
作成したゲームのテストは、[テストプレイ]ボタン(緑の右向き三角)から行える。マップ編集画面では、[マップテスト]ボタン(青の右向き三角)が表示されて、そのマップのテストが行える。ゲームの完成後は、メニューの[ファイル]から[プロジェクトのリリース]項目を選ぶことで、配布用のファイル一式が出力される。
また、上級者向けの機能として、JavaScriptのプログラムを記述して、処理を自前で書き起こすことも可能。とはいえ、確認可能なコードにはコメントがほとんどなく、1MB以上あるため、仕様を把握してプログラムを書くのは、たとえプログラマーだとしても難易度が高いと感じられる。本ソフトの公式サイト上にスクリプトの仕様ドキュメントがあるので、根性のある人ならば、時間をかけてコードを解析することも可能だろう。広く活用されるには、仕様を書いたドキュメントだけでなく、詳細な改造の手引きや、全体の仕様を図示するなどの、わかりやすいマニュアルが期待される。
とはいえ自分でプログラムを書かなくても、ゲームのプロジェクトフォルダー以下の“Plugin”サブフォルダーに他人の作ったスクリプトを保存することで、追加機能を読み込むことができる。公式サイトでは、ダメージが2倍になるスキルや敵全体に使えるアイテムの実装、メッセージ表示時のボイス再生といった機能を追加するスクリプトサンプルが配布されている。
本ソフトは、シミュレーションRPGを作成したいが、ゼロからすべて作るのは大変そうだ、素材をイチから用意するのは難しそうだと思っている人に向いたソフトだと言える。プログラムなしでもシミュレーションRPGを作成できるので、シナリオとデータと素材を頑張って作れば、オリジナルのシミュレーションRPGをリリースできる。また、素材は本ソフトのものを使い、シナリオとデータだけ作るというのもありだろう。
ソフトウェア情報
- 「SRPG Studio」
- 【著作権者】
- サファイアソフト
- 【対応OS】
- Windows Vista/7/8
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 5,940円(税込み)(体験版あり)
- 【バージョン】
- 1.005(15/04/28)