REVIEW(09/12/11)
パラパラマンガを描く要領で簡単にアニメーション動画を作成「Pencil」
シンプルな操作性で簡単に作成可能、Flash形式や連番画像で出力できる
「Pencil」は、ペンタブレットなどを使って線画を中心とした2Dアニメーションを作成できるソフト。Windowsなどに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows Vistaで動作確認した。現在、作者のWebサイトからダウンロードできる。
本ソフトは、手書きアニメーションの作成に特化したシンプルな作りになっている。画面中央には自由に絵を描けるキャンバスが表示され、その左側には描画ツールが、右側には色の一覧が並ぶ。
アニメを作成するには、画面下部のタイムラインに線画用のベクターレイヤー、色塗りなどに利用するビットマップレイヤー、BGMなどをつけるサウンドレイヤーを配し、タイムライン上にフレーム(コマ)を追加してパラパラマンガのように作成していく。また、カメラレイヤーを追加することで、キャンバスのうちアニメに表示する範囲を指定することができる。
基本的にシンプルな作りのソフトだが、絵を描いて、アニメを効率的に作るための機能はきちんと備えている。たとえばタイムラインの上部で“Onion skin”のボタンをONにれば、キャンバス上に1つ前と1つ後のフレームを表示できる。これを利用すれば、最初に何枚かの絵を描いておき、その間の絵を補完していくことでアニメ用の絵を短時間で描けるだろう。
また、それぞれのフレームはタイムライン上をドラッグして動かすことができるため、絵を間に追加したり、削除したりすることで、アニメーションのコマ数を調整することができる。さらに、画面左にある描画ツールの“Display”欄には、絵を左右反転表示したり、パスで描いた絵のアウトラインを表示させるボタンもついている。
キャンバスへの描画はアンドゥが可能だが、選択範囲を消したり、選択したラインを消したりすることはできない。本ソフトは名前のとおり、あくまで鉛筆で紙に描いているというイメージで利用するソフトだ。
作成したアニメは、独自形式で保存するほかに、Flash(SWF)形式の動画やPNG/JPEG形式の連番画像で出力できる。この際、カメラレイヤーを選択した状態で出力すると、そのフレームの灰色になっている非表示領域を窓枠のようにして、内側のキャンバスのみを切り取って保存する仕組みだ。なお、作成したアニメの出力時、出力先のパスに日本語が入っていると出力できないので、英文字のみのフォルダに出力するとよい。
本ソフトは、複雑なアニメを作るのには向いていないが、1~2時間程度の作業時間で短いアニメを作るのには便利なソフトだ。パラパラマンガを作るように短いアニメを作成したい際などに使うとよいだろう。
- 【著作権者】
- Patrick Corrieri 氏、Pascal Naidon 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows Vistaで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 0.4.4b(08/02/23)