週末ゲーム

第566回

フリーのシューティングゲーム4作品をピックアップ

気軽に遊べる爽快な作品から、スコアラー向けの高難度作品まで

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、フリーソフトとして公開されているシューティングゲーム「Galaxy Frontier」「壊漢-KAIKAN-」「XX:e」「multiplex」を一挙にご紹介する。

2種類のショットとボムで敵を蹴散らせ!「Galaxy Frontier」

2種類のショットの使い分けが攻略のポイントになる

 「Galaxy Frontier」は、宇宙を舞台にしたSFシューティングゲーム。生活圏を木星まで広げた人類は、太陽圏外から現れた謎の機械兵器群の攻撃を受ける。敵の目的が木星の遺跡に眠る“ストーン”であると判断した人類は、最新鋭小型戦闘機“Dione Type8086”でストーンを破壊する作戦を発動した。

 ゲームは縦スクロール型で、通常ショットと、ボムにあたる“ニュークリア”を使い分けて進む。通常ショットはボタンを押したままだと拡散型のショットに、連射すると前方集中型のショットになる。雑魚は拡散ショットで、硬い敵は集中ショットで倒すという使い分けが求められる。

 ニュークリアは、敵に攻撃すると溜まっていく画面左上のゲージを消費して使用する。ニュークリアの使用時、通常ショットが拡散型の場合は広範囲の敵と敵弾を一掃する拡散ニュークリアに、集中型のショットの際に使うと前方の敵に大きなダメージを与える集中ニュークリアになる。

 またニュークリアで敵を倒したり、敵弾を消したりすることで、HITカウントが上昇する。HITカウントが増えると、ニュークリアで敵を倒した際のボーナス得点が増加。さらに6,000HIT到達ごとに残機が1機増える。ただしニュークリアを使用していない間は、少しずつHITカウントが減少する。

 単純にクリアを目指すだけなら、ニュークリアを緊急回避用に使えばいい。ただハイスコアを目指すなら、ある程度は惜しまずニュークリアを使うことも重要になる。特に大型の敵が弾幕を撒いてきた時に使うと、弾消しによるHITカウントが一気に稼げるので効果的。

 HITカウントを稼ぐことで残機数の増加にも繋がるため、結果的にクリア目的でも有利になる。特に集中ニュークリアはゲージの消費も少ないので、敵や敵弾が多いなと思ったら惜しまず使っていきたい。ニュークリアゲージは敵さえ倒していればかなり早く溜まっていくので、ゲームとしての爽快感も高い。

 シューティングゲームとしては、拡散ショットがかなり広範囲に撃てることや、ニュークリアを多く使えることから、やや大味な手ごたえだ。ただ敵の弾幕はかなり厳しいシーンが多いので、それなりの回避力も求められる。またオープニングやエンディングで描かれるストーリーもかなり凝っているので、その辺りも含めてゲーム全体で楽しんでいただきたい。

ニュークリアもバンバン使っていけるので、爽快感のあるシューティングに仕上がっている
「Galaxy Frontier」
【著作権者】
HELLO WORLD PROJECT、あるふぁ~秘密基地(Alpha Secret Base)
【対応OS】
Windows XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/03/26)

無数の敵を倒し、スコアアタックに挑め!「壊漢-KAIKAN-」

機体によって異なる多彩なショット。プレイ感覚が大きく異なるので、すべての機体を試してみてほしい

 「壊漢-KAIKAN-」は、多数の敵を蹴散らしながらスコアを稼ぐ爽快感が売りの縦スクロール型シューティングゲーム。攻撃はショットとボムの2種類。これに加えて、押している間は機体の移動が遅くなり、ショットの特性も変化する低速移動ボタンがある。

 最初に、ショットの形状と移動速度が異なる機体を選ぶ。機体は前方集中型、前方ワイド型、ホーミング型、全方位大火力型の4つがあり、機体が変わるとプレイ感覚が大きく変化するのでその分遊び甲斐がある。なお、一度クリアすると5つ目の機体も使用可能となる仕組みだ。

 機体の性能差は、初期状態ではほとんど感じられないが、敵の中型ヘリを倒した時に出現するパワーアップアイテムを取ると性能が大幅に変わる。機体は最大5段階まで強化されるが、一度倒されると強化が1段階下がってしまう。

 ゲームプレイの鍵となるのは、敵を倒した時に出現するボーナスアイテム。拾うと得点になるだけでなく、連続で取得すると画面横にあるボーナスゲージが上昇する。一定量まで貯まるとランクが上昇し、ボーナスアイテム取得時の得点が増加。ただしボーナスアイテムを1つでも画面外に取り逃してしまうと、ボーナスゲージは0に戻ってしまう。敵が大量に発生する場所では、画面全体にボーナスアイテムが現れるような状態になるので、全てのボーナスアイテムを機体の移動だけで拾うのは不可能だ。

 その対応として、自機のショットを撃っていない時は、ボーナスアイテムを引き寄せることができる。あくまで引き寄せるだけなので、ショットを止めてすぐにすべてのボーナスアイテムを取得できるわけではない。コンマ数秒ながら攻撃の手を止めてボーナスアイテムを回収し、またショットで敵を倒して回収……という流れになる。

 敵が多い時に攻撃を止めると、当然ながら倒しきれずにこちらがやられてしまう。ボーナスアイテムが画面外に消えるギリギリまで粘って回収したり、場合によっては無理に敵を倒さず、回収を優先したりする方がスコアが伸びるという仕組み。もちろんクリアを優先するなら、ボーナスアイテムを諦めて敵を倒した方が安全だ。

 ボーナスアイテムを入手するとスコアのほか、画面下のボムゲージも増える。ボムゲージが満タンの時は、攻撃を受けても一度だけミスにならず、ボムゲージが空になるだけで済む。スコア面でも安全面でも、ボーナスアイテムの取得が非常に重要なゲームだ。

 敵の攻撃は弾幕というほどではないが、ボス戦などでは低速移動で細かい動きが求められるシーンも。自機の当たり判定は見た目よりもかなり小さく、手触りとしては弾幕シューティングに近い。ただそれ以上に、敵本体の数が多いというのが本作の特徴だ。

 機体の種類に加え、ステージも全部で5つあり、ボリュームもなかなかのもの。コンティニュー回数は9回までと制限があるが、初見でもコンティニュー回数を使い切るほど難しくはない。残ったコンティニュー回数は最終的にスコアに変換されるので、いかに少ないコンティニュー回数でクリアするかも本作のスコア稼ぎのポイントになっている。

とにかくすごい数の敵が出現し、倒すとまたすごい数のボーナスアイテムが出現する。攻撃と回収のメリハリが求められる
「壊漢-KAIKAN-」
【著作権者】
zakichi 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1

武装を組み合わせて戦うシューター向け高難度作品「XX:e」

各種ショットの特性の違いを理解して、うまく活用できる戦い方を練っていく

 「XX:e」は、複数の武装を選択して攻略に挑む、横スクロールタイプのシューティングゲーム。ゲームスタート前に複数の武装を選択し、好みに合わせた機体でプレイできるのが特徴。

 武装はメインショット、サブウェポン1、サブウェポン2の3つがあり、それぞれ3種類の武装が用意されている。操作的には、ショットボタン連打でメインショット、ショットボタンの溜め撃ちでサブウェポン1、サブウェポン2ボタンでサブウェポン2を発動可能。

 メインショットは、前方への連射武器、連射力は落ちるが貫通力のあるレーザー、さらに連射力が落ちるが着弾点で爆発するミサイルの3種類。特性が全く違うので、ステージによって効果的に働いたり、使いにくくなったりする。雑魚の殲滅には連射力が高い方が便利だが、レーザーなら障害物の裏の敵を狙えるし、ミサイルならボスなど硬い敵にも継続的にダメージを与えられる、といった具合だ。

 溜めて使うサブウェポン1は、前方に大ダメージを与える“LANCE”、近距離全方位を攻撃できる“THUNDER”、進行方向とその反対に剣のようなものを出す“IMPACT”の3種類。溜めている間は攻撃できない上、いずれも攻撃範囲が狭く、敵にかなり近付かないと攻撃が当たらないためリスクが大きい。その分、威力はかなり高い。

 サブウェポン2は、前方への強力なレーザー“BURST LASER”、爆発して敵だけでなく弾を消す効果もある“BOMB”、発動中は敵や敵弾に接触しなくなる“INVISIBLE”の3種類。使用するには画面下のゲージを消費し、ゲージは時間経過や敵を倒すことで回復する。

 これらの武装は、ゲームオーバーになるまで変更できない。これが本作の悩ましいところで、場面ごとの有利不利が、武装によって極端に変わる。メインショットについては前述の通りだが、他にも硬い敵が挟み撃ちしてくる場面では両面を攻撃できるサブウェポン1があると楽だったり、ボスが放つレーザーをサブウェポン2の“BURST LASER”で相殺できたりする。

 ゲーム内容としては、ボス戦を含めかなりハードな箇所がちらほら見られる。弾幕というより、いきなり出現するタイプのトラップが多く、初見では絶対にやられるであろう理不尽な攻撃も多い。ある程度数をこなして、パターンを見切って対処法を考えていかないと攻略は難しいだろう。

 コンティニューは1回限りで、再び残機がなくなるとゲームオーバーとなり、最初のステージからやり直し。ただし一度到達したステージはそのステージだけを選んでプレイできるモードがあり、これで研究を重ねて自信がついたら最初から……といった感じの攻略になる。

 コンティニュー制限もあって難易度はかなり高いが、さらにその上でスコア稼ぎも目指すなら、敵を近距離で倒すことが重要。距離が近いほどスコアボーナスが得られ、最大16倍になる。サブウェポン1を適切に使って倒せば、自然とスコアが上がる仕組みだ。カジュアルに遊ぶのにはハードルが高いが、本気のシューターならやりがいを感じるデザインになっている。

サブウェポンはどれも使いどころが難しいが、うまくはまれば強力。色々試していくのも本作の楽しいところ
「XX:e」
【著作権者】
DXS 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00

美しいビジュアルの全方位シューティング「multiplex」

ビジュアルの美しさはご覧の通り。電脳空間を思わせる表現は見事だ

 「multiplex」は、電脳空間のような世界で展開される全方位シューティングゲーム。作者が『「Geometry Wars」に影響を受けた』としている通り、Xbox Live アーケードなどでリリースされた同作にビジュアル、ゲームシステムともかなり似た内容になっている。

 操作は2本のアナログスティックをもつゲームパッドなどを使用し、左側で自機の移動、右側でショットの方向を決める。また回数制限があるものの、全方位の敵を一掃できるボムも使用可能。自機のショットは一定間隔で射出される3wayショットのみで、他の武器は用意されていない。

 ゲームモードは現状、ひたすら長く生き残るPulseモードのみプレイ可能。ゲームをスタートすると画面のあちこちに敵が出現するので、ショットで倒していく。敵は弾を撃たず、あらゆるオブジェクトはショットで撃破できる。ただしフィールドの端までいくとショットは消え、自機や敵機もそれより外には出られない。

 敵は直線的に動くものや、自機をしつこく追ってくるもの、こちらがショットを向けると軸をずらして逃げるものなど、8種類が登場。複数の種類が同時に出現して襲い掛かってくるので、単純に近くの敵を倒すのではなく、厄介な敵から先に倒すなどの戦略も重要になる。

 ゲームはPulseというステージ単位で区切られており、一定時間が経過すると敵が一掃され、次のPulseへと進める。Pulseは5つ進むと進行状況が記録され、以降は進行したPulseから再開可能。ただし5つのPulseを進行できずに3回やられてしまうと、また5つ区切りの最初からやり直しになる。

 全方位シューティングとしてはオーソドックスな内容だが、難易度は非常に高い。ゲーム序盤からものすごい数の敵が現れる上、突っ込んでくる敵と弾を避ける敵がセットで出てくるなどシビアな設定。また出現する敵はプレイするごとに変わるため、パターン化もできない。難易度調整機能もないので、とにかく頑張ってPulseを5つ突破して、繰り返しやり直して進むしかない。

 筆者は全方位シューティングがかなり好きで、「Geometry Wars」もかなり遊んだのだが、本作も見た目は他の作品に負けない美しさがあると感じられた。ただ現状ではあまりの難しさに手も足も出ない(下手の横好きと言われればそれまでだが)。新たなゲームモードの追加も予定されているようなので、合わせて武器の追加・強化などシステム面の拡充も期待したい。

ゲーム開始直後から無数の敵が現れ、あっという間に囲まれてしまう
「multiplex」
【著作権者】
tcptr 氏
【対応OS】
Windows 8など(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1

(石田 賀津男)