週末ゲーム

第624回

世は大開拓時代!直感的な操作で楽しめる武器屋経営SLG「FrontierBlacksmith」

物語風のチュートリアルと、高いプレイアビリティに注目

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、武器屋経営シミュレーションゲーム「FrontierBlacksmith」を紹介しよう。本作は“経営に必要な情報が最小限”、“パソコンのような直感的操作”という2つのポイントから、シミュレーション初心者にもオススメしたい作品となっている。

フロンティアにて、商売という戦争を生き抜くSLG

 本作は、力で競い合う戦乱の時代が終わり、代わりに商売で競う富の時代へと移り変わった世界が舞台。その世界に存在する大陸東部の新天地“フロンティア”では、魔獣を狩り一財を成そうとする“ハンター”と呼ばれる人々が日々活動していた。プレイヤーはそこで、腕っぷしひとつで財を築き上げるハンターに……なるのでなく、ハンターたちに武器を売りさばく“武器屋”となる。そして、フロンティアでトップの商人となるのが目的だ。

チュートリアルシナリオはストーリー形式で進み、物語を楽しみながらシステムを覚えることができる

 ゲームの構成としては複数のシナリオに分かれており、最初はチュートリアルも兼ねた物語付きのシナリオ“初めての武器屋”をプレイすることができる。物語を楽しみながら本作の世界観やゲームルールを掴むことができるので、まず遊んでみよう。

 チュートリアルシナリオの物語は、武器屋の社長である“セオ”と、そこに所属する職人の“ファクト”が、フロンティアに武器屋を開店させるところから始まる。二人は武器屋の開店にあたって、武器の開発や、現地の役人とのやり取り、そして新しい人材の採用など、さまざまな出来事を乗り越えて店を大きくしていこうとするが……。

フロンティアに武器屋を開店したセオとファクト。彼らを待ち受ける展開とは……?
現地の役人が放つ意味深な言葉に、セオはどう対応するか?

直感的に武器屋経営を楽しめるUIとゲームシステム

 次に具体的なゲーム画面を見てみたい。武器の製造、店舗の拡大、店員の雇用など、武器屋経営に必要な情報が最小限にまとめられたウィンドウが表示され、ボタンひとつでそれぞれ表示・非表示を切り替えられるようになっている。

 操作についても、たとえば“武器情報ウィンドウから作りたい武器をドラッグして、職人情報ウィンドウの職人にドロップする”という操作をすることで、武器の製造を開始することができる。このように、パソコンを使う時のような直感的な操作がメインとなっているのだ。

ゲーム画面は、パソコンを操作するように直感的に触れられるUIで構成されている
ゲーム画面の左上に存在するボタンを押すことで、対応した情報が表示される。必要に応じて各ウィンドウの表示・非表示を切り替えることができる
武器を作る職人に指示を出したら、後は見守っていることで自動で武器が生産され、店員によって売られていく

 ゲームの基本的な流れは、武器屋に所属する職人が武器を製造し、完成した武器が店員によって売られていくというもの。売り物である武器を切らさないように、製造を続ける。これが、このゲームの最も基本となる部分だ。ゲーム進行はリアルタイムとなっており、プレイヤーが何もしなくとも日時が進み、職人や店員が仕事を行なっていく。

 ゲームの速度については、ゲーム画面右上の“SPEED”を設定することで手軽に調節でき、また“STOP”を押すことで一時停止を行なうことができる。経営方針をじっくり考えるための一時停止はもちろんのこと、武器製造の方針を決めた後は時間が経つのをひたすら待つ場面もあるので、ゲームスピードの調整は非常に重宝する機能となっている。

 また、ゲーム起動後のメニュー画面では、これまでに生産した武器などの一覧も参照することができる。直感的に操作できるUIのデザインだけでなく、これらプレイアビリティについても随所に気を遣われたものとなっているのだ。

画面右上のSPEEDとSTOPを活用することで、ゲームスピードを調整できる
メニュー画面では、これまで使用した武器の一覧を辞書のような形で見ることができる

“武器開発”、“経営戦略”を駆使して売上トップを狙え!

 最初にプレイするチュートリアルシナリオでは、段階を追いながら、ゲームに必要な操作を覚えていくことが可能だ。今回は、その中から本作の基本となるゲームシステムの一部を紹介しよう。

武器情報に黒いシルエットの武器が現れたら、新武器開発のチャンスだ

 まずは武器の“開発”。武器の製造を繰り返していくうちに職人が新しい武器を閃き、武器情報のウィンドウの中に黒いシルエットの武器が出現することがある。この武器の開発を職人に担当させ一定時間が経つと、無事に武器が完成し、以降は量産を行なうことができる。

 次は“求人”だ。武器屋を経営するには、職人と店員が不可欠となる。武器を売り逃さないように、2種類の従業員を適切に雇うことが必要だ。

 最後に“経営戦略”。こちらは1日ごとに溜まっていく“MP”を使用することで、武器を製造する工房や店舗の拡張、武器の開発技術の向上、そして宣伝など、他の店との競争を行なう上で優位に立てる各種の“戦術”を使用することができる。

求人情報を見ることで、現在雇える従業員の一覧が表示される。従業員をクリックすることで、翌日から加入して働いてくれる
経営戦略には、従業員の求人や、武器開発に関わるもの、そして店の集客などに関わるさまざまな戦術が揃っている

 チュートリアルシナリオを終えると、次はついに他の武器屋との競争を行なうシナリオを攻略することになる。ここからは、序盤のシナリオである“自由経済”について、具体的な攻略のコツを紹介していきたい。

 まず、ゲームスタート時には経営戦略の“開発系戦術”の中の“研磨ブースト”、“錬鉄ブースト”、“細工ブースト”をバランスよく使い、会社の技術レベルを上げていく。並行して“工事系戦術”の“工房リフォーム”や“研究室リフォーム”を使い、武器の製造・開発能力を上げていく。リフォームを繰り返すうちに工事系戦術のレベルが上がり“店舗拡大”を使えるようになるので、それを使用する。こうすることで、職人が開発可能な武器が増える。つまり、より高く売れる武器を作れるのだ。

開発系戦術の各種ブーストを使うことで、技術レベルが底上げされ、開発できる武器が増えていく
リフォームや店舗拡大を行なうことで、職人が閃くことができる武器が増えていく

 会社の開発能力が上昇して良い武器を製造できるようになると、武器の売上も拡大してくるので、それに合わせて職人や店員を少しずつ増やしていく。引き続き店舗拡大と技術レベルの向上を行いつつ、“宣伝系戦術”の一部である“チラシ”を使って、店の来客数に繋がる“知名度”のパラメータと、宣伝系戦術のレベルを上げる。そのうちに、より上位の宣伝系戦術である”雑誌”や”広告”などが使えるようになる。店の知名度は店舗の改修完了時などに大幅に上がるが時間とともに減っていくので、宣伝系戦術を駆使して知名度が下がり過ぎないようにキープしていこう。

会社の規模が大きくなってきたら、社員も増やしてみよう
宣伝系戦術は店への来客数に影響する。知名度が下がり過ぎないように気をつけよう

 以上が、序盤のシナリオをプレイする際のコツとなる。開発や求人、各種戦術を上手く組み合わせて武器屋を拡大していくことが重要だ。

 本作は、経営シミュレーションとしての面白さもさることながら、プレイアビリティに考慮されたUIやゲームシステムで直感的に経営を楽しめることもポイントだ。攻略のコツを押さえていけば、以降はそこで覚えた戦略をベースに試行錯誤して他のシナリオを遊べるようになっているので、経営シミュレーション好きだけでなく、初心者にもぜひプレイしてみてほしい一作だ。

ソフトウェア情報

「FrontierBlacksmith」
【著作権者】
(´・@・) 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.07(15/07/12)

(もぐらゲームス:poroLogue)