特集

2chとTwitterに対応、ハイブリッドブラウザー「V2C」を使ってみよう!

慣れないうちの違和感が、やがて自分好みの設定を見つけていく面白さへ

(12/04/23)

「V2C」「V2C」

Mac OS X上の「V2C」Mac OS X上の「V2C」

 「V2C」は、Java製の2ちゃんねるブラウザー。Windows以外のOSでも動作することに加え、スレッドの盛り上がりをグラフで確認できるなど、定番2ちゃんねるブラウザー「Jane」シリーズなどにはないユニークな機能を備えていることで話題を呼んだ。

 作者サイトに公開されている「V2C」の更新履歴は2004年3月20日から始まる。その後、度重なるバージョンアップが行われ、2009年2月14日にv1.0.0が公開された。さらにv1.0.0公開から一年が経った2010年2月14日、Twitterの閲覧・投稿に対応したv2.0.0が公開された。執筆時現在の最新版は、2012年3月4日に公開されたv2.9.1となる。

 「V2C」といえば、実際に使ったことがない人でも、機能が豊富であるというイメージが強いのではないだろうか。しかし「V2C」は、「Jane」シリーズなどとは設定画面を含むユーザーインターフェイスや使い勝手が大きく異なるため、実際に使ってみても何をしていいのかよくわからないという人も多いはず。そこで本特集では、「V2C」の備える機能と使い方を画像を添えて紹介していく。

変幻自在のユーザーインターフェイス

デフォルトのメーラー風3ペイン表示デフォルトのメーラー風3ペイン表示

板一覧のみを別ウィンドウとして表示することも可能板一覧のみを別ウィンドウとして表示することも可能

タブとともにリストボックスを用意タブとともにリストボックスを用意

 「V2C」のユーザーインターフェイスは、板一覧、スレッド一覧、スレッド本文を表示するデフォルトのメーラー風3ペイン表示のほか、縦3列の3ペイン表示へ切り替えられる。さらに、たとえば縦3列表示の状態でスレッド一覧や板一覧をスレッド本文の右側へ表示するなど、変幻自在にユーザーインターフェイスを変更することが可能となっている。また、2ちゃんねる専用ブラウザーは、スレッド一覧とスレッド本文のみを縦2列で表示するスタイルが比較的多く利用されていると思われる。その場合は、板一覧のみを別ウィンドウとして表示することも可能だ。

 「V2C」には、スレッド一覧とスレッド本文に対して、タブとともにリストボックスが用意されている。タブは、今開いてる板やスレッドが表示されるのに対し、リストボックスでは過去に見た板やスレッドの履歴が表示されるので、いったん閉じたスレッドなどを手軽に開き直すことが可能。

 さらに「V2C」では、スレッド本文のタブを表示する位置を、デフォルトのスレッド本文の上側から、スレッド本文の下側や左右へと変更することが可能。タブを左右へ配置すれば、ワイドディスプレイを利用している場合にデスクトップ領域を有効に活用することができるだろう。

“カラム設定”画面を開く“カラム設定”画面を開く

タブの位置をラジオボタンで指定するタブの位置をラジオボタンで指定する

 この設定は、スレッド本文のタブの右クリックメニューにある[カラム設定]-[カラム設定]から開く“カラム設定”画面で行える。“カラム設定”画面にある“タブ”タブを開き、“共通設定とは違う値を使用する”チェックボックスをONにした上で、タブの位置をラジオボタンで指定しよう。

ハイブリッドの根底となるマルチカラム表示

 「V2C」は、スレッド本文のマルチカラム表示に対応する。これにより、現在「V2C」を「V2C」たらしめている“2ちゃんねるとTwitterのハイブリッド表示”が可能となる。マルチカラム表示では、2ちゃんねるのスレッドとTwitterのタイムランのみならず、2ちゃんねるのスレッドを複数同時表示することも可能。また、前記したスレッド本文のタブを表示する位置などは、カラムごとに変更することができる。

2ちゃんねるの閲覧機能

 ではユーザーインターフェイスから離れ、機能面を見ていこう。“●”ログインや“Be”ログインなどを含め、2ちゃんねるを利用する上で必要となる基本機能は網羅されているといっていいだろう。マウスジェスチャーにも対応しており、さまざまな操作をマウスジェスチャーへ割り当てられる。

“マウスの設定”画面を開く“マウスの設定”画面を開く

白い四角形の枠をドラッグしてジェスチャーを登録する白い四角形の枠をドラッグしてジェスチャーを登録する

 マウスジェスチャーは、メニューの[設定]-[マウス]項目から開く“マウスの設定”画面にある“マウスジェスチャ”タブで登録可能。マウスジェスチャーを登録するには、まず画面上部のリストボックスで“レス表示”や“書き込み欄”といったカテゴリーを選択する。すると画面中央のリストへ、そのカテゴリーに含まれる操作が一覧表示される。

 たとえばスレッド本文のタブを閉じる操作にマウスジェスチャーを割り当てたい場合は、リストボックスから“レス表示”カテゴリーを選び、リストから“タブを閉じる”アクションを選択する。アクションへジェスチャーを登録するには、画面下部にある白い四角形の枠の上でマウスの右ボタンを押したまま、そのアクションへ登録したいジェスチャーの動きを実際に行えばよい。あとは[追加]ボタンを押せばジェスチャーの登録は完了だ。ジェスチャーを登録し終えたら、[閉じる]ボタンを押そう。

スレッドの盛り上がりを折れ線グラフで確認できるスレッドの盛り上がりを折れ線グラフで確認できる

注目を集めるような面白いレスだけをすばやくチェック注目を集めるような面白いレスだけをすばやくチェック

レスアンカーによる会話の流れもわかりやすいレスアンカーによる会話の流れもわかりやすい

 ユニークなのは、やはりスレッドの盛り上がりを折れ線グラフで確認できる機能だろう。ツールバー上のボタンを押すことで、スレッド本文をグラフへと切り替えられる。また、スレッド内でアンカーが多くつけられたレスを抽出する機能も備える。注目を集めるような面白いレスだけをすばやくチェックしたい場合に便利だ。そのほか、レスアンカーによる会話の流れを読みやすくする機能や、“Migemo”を利用した検索などにも対応する。

超充実のテレビ番組“実況”機能

 2ちゃんねるでテレビ番組の“実況”をしているというユーザーは多いだろう。「V2C」は、そんな“実況”ユーザーのための機能が非常に充実している。実況には必須の“オートリロード”機能も「V2C」では一味違う。

実況には必須の“オートリロード”機能実況には必須の“オートリロード”機能

 オートリロード機能は、スレッド本文の右クリックメニューにある[オートリロード]項目を選択することで利用可能。これを選択すると、スレッド本文の右上に音楽プレイヤーについているようなボタンが表示される。一番左側の三角形のボタンを押すとオートリロードおよびオートスクロールが開始される。

 オートリロード&オートスクロールは、ボタンにより一時的に停止できるほか、「V2C」のオートリロード機能には、閲覧中のスレッドが終了した際に、自動的に“次スレ”へ移動して実況を継続できる機能が搭載されている。

 さらに、スレッド本文の表示を一時的に実況向けの“短縮モード”へ切り替え可能。“短縮モード”は[1]ボタンを押すことで利用でき、スレッド本文の表示をレス番号と本文のみの簡易表示にした上で、改行のみの行を削除してくれる。加えて、リアルタイムで放送されている番組の実況に乗り遅れた際に、録画しておいた番組を見ながら実況スレを楽しめる“同期再生”機能も用意されている。

Twitter関連機能

Twitterの閲覧・書き込みに対応Twitterの閲覧・書き込みに対応

 最後にTwitter関連機能を見ていこう。「V2C」上ではTwitterが2ちゃんねるのひとつの板のように扱われ、タイムラインや返信、ダイレクトメッセージ、リストなどがそれぞれスレッドのように表示される。機能面も充実しており、取ってつけたような簡易的な実装ではなく、本格的に利用することが前提とされている。

“User Streams”APIにも対応する“User Streams”APIにも対応する

 具体的には、マルチアカウントに対応するほか、Twitterの“User Streams”APIにも対応している。なお、“User Streams”での接続は標準では無効化されている。利用するには、まずメニューの[設定]-[Twitter]項目を選択して“Twitter設定”画面を開こう。あとは“User Streams”を利用したいアカウントを選択して[設定]ボタンを押し、表示されるダイアログで“UserStreamsを使用する”チェックボックスをONにすればよい。

 また、タイムライン上のユーザー名にマウスカーソルを合わせることで、そのユーザーの発言を抽出してポップアップで一覧表示できるほか、ユーザー名の右クリックメニューから返信やリツイートなどを行える。さらに、選択したユーザーや特定クライアントからのツイートを一時的に非表示にする、いわゆる“ミュート”機能も用意されている。そのほか、画像の投稿や、日本語ハッシュタグにも対応している。

 本特集では、「V2C」の基本となる機能のみを紹介してきた。前記したように、慣れないうちは若干違和感を感じるかもしれない。しかし、「V2C」の機能を少しずつ使いこなしていったり、自分好みの設定を見つけていく面白さに出会えたとき、おそらく本ソフトは手放せなくなるのではないだろうか。

(加藤 達也)