年末企画
今年1年間で各編集部員がもっとも気に入ったソフトを紹介
(09/12/25)
オンラインソフトの情報を、毎日お届けしている窓の杜。編集部では世界中で公開されるさまざまなオンラインソフトの情報を求めて、日夜ネットを徘徊している。そうして見つけたオンラインソフトを紹介し、読者のみなさんと感動を共有できるのが何よりの喜びだ。ここでは、今年窓の杜で取り上げたオンラインソフトのなかで、各編集部員やライターがもっとも気に入った“今年のお気に入り”ソフトをご紹介していこう。
Webだけでも、ローカルだけでもだめなのです。「GMinder」
ここ数年、スケジュールやアドレス帳などの個人情報もWebサービスに預けるのが一般的になりつつあるが、昔から全個人情報を詰め込んだノートPCを常に持ち歩いているため必要性を感じていなかったこともあり、仕事やプライベートの情報を第三者へ預けることに抵抗があった。
しかし、PDA(スマートフォン)を長年使っていたWindows Mobile端末から“Googleケータイ”などとも呼ばれるAndroid端末(HT-03A)へ切り替えたのをきっかけとして、否応無しにGoogleを中心としたWebサービスを使うことになってしまった。一度使い始めてしまえば、常に起動しっぱなしの「Firefox」でさまざまな作業ができるのは便利だし、インターフェイスもWeb用だけにシンプルでわかりやすいものが多い。
とくに“Google カレンダー”は、下手をするとローカルアプリよりも軽快な動作や、時刻と予定内容を同時に入力できる機能、シンプルな画面など、ローカル・Webといった違い以前にインターフェイスが好みですぐに気に入ってしまった。ローカルクライアントと同期して使っている人も多いだろうが、個人的にはこのWeb画面で機能的には十分なので、こちらを常用している。
ただし、問題が1点だけあり、それは予定の通知機能が弱いこと。簡易的なダイアログがポップアップするだけだし、何より“Google カレンダー”のページを開いていないと表示されない。そこで補助的に使い始めたのが「GMinder」だ。タスクトレイに常駐し、わかりやすい画面で直近の予定を通知してくれる。
『アプリなんて全部Webに置いてしまえばいい』なんて言う人も最近は結構いるが、“かゆいところへの手の届きっぷり”ではまだまだローカルアプリにも分があるのではないかと思う。とはいえこれまではローカルに偏重しすぎていたので、今後はWebとローカル、適材適所でうまく組み合わせて使えるといいなと思った年末でした。ちなみに冒頭の懸念は、“どうせG社やM社のような超大手から情報流出するようなことがあれば世界中大混乱なので、私1人のデータなんて誰も気にしないよね”ということで自分を納得させた次第……。
- 【著作権者】
- Greg Todd 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows Vistaで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.2.10(09/07/04)
(中村 友次郎)
新しいごみは残しておいて古いごみだけを削除「古いごみ削除ツール(NonRccDel)」
筆者はごみ箱にいつまでもファイルが残っている状態が何となく気に入らない。そのため、ファイルを削除したら早めにごみ箱を空にする癖がついている。しかし、Windows標準の[ごみ箱を空にする]というコマンドは、文字通りすべてのファイルを削除してしまうため、ごみ箱を空にしたあとに『しまった!』と思うことも少なくない。数カ月も前に削除したファイルならあきらめもつくが、最近削除したファイルに関しては自分のうっかりさを悔やんでしまう。
そんな筆者のごみ箱を扱う際の癖とお茶目なミスの双方を解消してくれるのが「古いごみ削除ツール(NonRccDel)」だ。名前が表す通り、ごみ箱のファイルのうち削除してから指定日数が経過した古いファイルだけを削除して、指定日数が経過していないファイルはごみ箱内に残してくれる。
削除対象とする経過日数は起動オプションで指定する仕組み。1週間以上経過したファイルだけを削除したい場合は“7”、約1カ月以上経過したファイルを削除したい場合は“30”といった具合で指定すればよい。あらかじめ起動オプションを指定したショートカットファイルをデスクトップに置いて、[ごみ箱を空にする]の代わりに使用するとよいだろう。
また実行時にはウィンドウやメッセージダイアログを表示することもないため、スタートアップやWindowsの“タスク”に登録して使うのもオススメ。
- 【著作権者】
- のん 氏
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP(編集部にてWindows Vistaで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 1.0.0.0
(久保 望)
ブラックな笑いを届けてくれる簡単3Dアニメ作成ソフト「T2V Player」
簡単に3Dキャラクターがしゃべって動くアニメーションを作成できる「T2V Player」。アニメーション作成に必要なのは日本語で書かれたTXT形式の台本のみというシンプルさながら、日本語でト書きを書くことによりキャラクターの仕草や表情を変えられるほか、カメラのアングルを変えたり、画像を表示することもできる。台本を書くだけでちょっとしたコントのアニメーションを作成できるのはとても魅力的だ。
しかし、「T2V Player」の魅力はそれだけではない。同梱されているサンプルの台本が楽しいのだ。サンプルのほとんどはかなり苦みのきいたブラックジョークが満載で、キツイ洒落が大好きな筆者を楽しませてくれる。さらに、バージョンアップのたびにサンプルは増えており、毎回新作を楽しめる。もちろん、バージョンアップするたびに機能も増えていて、利用できるキャラクターが追加されたり、アニメーション内での動画再生に対応するなどの機能追加が施され続けている。
また、最近ではオリジナルの3Dキャラクターを作成する際のフォーマットが“BM3.0”と呼ばれるものに対応し、本ソフトの開発ブログ上で作成方法が解説されている。興味のある方は開発ブログを参考にして新しいキャラクターを作り、「T2V Player」の世界をどんどん広げていってほしい。
- 【著作権者】
- (株)インターネット総合研究所
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP/Vista
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.6β bug fixed version(09/11/26)
(長谷川 正太郎)
探し物を超高速で必ず見つけ出してくれる「Everything」
筆者はどうにも整理整頓が苦手らしく、私生活では集めた小説や漫画をダンボールの中へ適当に押し込んでしまい、パソコン作業ではあらゆるファイルを1つのフォルダへ押し込んでしまう癖がある。これではあとから読み返したくなった本や、必要なファイルを探せるはずもなく、探し物は見つからないものだと諦めるほかなかった。
そんなずぼらな筆者に、探し物は見つかるものだと教えてくれたのが超高速ファイル検索ソフト「Everything」だ。本ソフトは、探したいファイルがどこに保存されていようが、ファイルの名前さえ覚えていれば超高速で見つけ出してきてくれる。
それどころか、部分一致によるインクリメンタルサーチに対応しており、検索結果も即座に表示されるため、ファイルの名前すら完璧に覚えておく必要はない。たとえば“H21年度忘年会企画書.doc”を探したい場合は“忘年会 doc”というように、覚えている部分だけを適当に入力していけばよいのだ。
本ソフトに出合ってからというもの、いつだって見つけ出せるという安心感が生まれたせいか、より一層整理整頓ができなくなってきたような気がするが、便利なものは使わなければ損だ。あとは「Everything」が家の中にある小説や漫画を検索できるようになってくれれば何も言うことはない。
- 【著作権者】
- David Carpenter 氏
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 1.2.1.371(09/03/13)
(加藤 達也)
モニターを1つ丸ごとTwitter専用にするほどのジャンキーにお勧め「sobees lite」
あまり自覚はないが、筆者は重度のTwitter中毒であるらしい。その原因はおそらく「sobees lite」に違いない。
本ソフトは、多機能なTwitterクライアント。複数のアカウントを自由にレイアウトして表示しておけるのが便利で、リストや公式RTといったTwitterの新機能にも対応。筆者のPCのセカンダリモニターにはいつも本ソフトが全画面表示されており、Twitterで気になる噂が流れたら、すぐさまリアルタイム検索でソースを突き止め、その後の流れを追うようにしている。おかげさまで、今年はTwitterからいろいろ記事のネタを頂戴した。みなさんにはこの場を借りてお礼を申し上げたい。
その一方で、Webサービスを利用しないローカル専用のソフトは、ますます元気がなくなって来たのではないかと少し心配。来年はそちらのほうの活躍にも期待したい。
- 【著作権者】
- deskNET SA
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- alpha 0.5.0.1(09/12/23)
(柳 英俊)
TRPGのような手探りの冒険を堪能できるダンジョンRPG「Ruina 廃都の物語」
今や一大ジャンルとなったロールプレイングゲームだが、もとを辿れば“テーブルトークRPG(以下TRPG)”という卓上ゲームに繋がるのはご存じの方も多いだろう。TRPGは“ゲームマスター”というジャッジ兼ストーリーテラーのもと、1プレイヤー1キャラクターで組まれたパーティが冒険を繰り広げるのだが、ゲームマスターとプレイターが直にやり取りするだけに変化に富んだ刺激的なゲームになる一方、遊ぶのに手間や時間がかかるという欠点があり、筆者は数年ご無沙汰になっている。「Ruina 廃都の物語」は、そんなTRPGや、TRPGをもとにしたゲームブックを彷彿させるダンジョンRPGだ。
ゲームのビジュアルは、羊皮紙に手描きで描かれたような地図やシックな色合いのイラストで統一されており、まるで冒険者が自らの手で描いたような雰囲気でゲームへの没入感を高めてくれる。そんななか、ダンジョンを手探りで進んでいく手がかりとなるのが、状況を丁寧に描写した文章だ。それはTRPGのゲームマスターの語りのようでもあり、ゲームブックの地の文のようでもある。
さらに、遭遇するイベントで提示される選択肢も豊富で、単にダンジョンへ潜って戦闘を繰り返すのではなく、逆にパーティのメンバー構成や集めた情報などを考慮しながら、手探りで危険な戦闘を避けられるような選択を探すのが楽しい。もちろん、正面からの力押しでも突破できるのだが、通常の戦闘よりもイベントで切り抜けたほうが危険や損害は少なく経験値も多く得られるので、試行錯誤してみる価値はある。
丁寧な描写と多くの選択肢が特長の本ゲームは、筆者のようになかなかTRPGのメンバーを集められないような人はもとより、手探りでダンジョンを探索している感覚を味わいたい人にもオススメだ。
- 【著作権者】
- 枯草章吉 氏
- 【対応OS】
- Windows 98/Me/2000/XP
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.21(09/07/15)
(橋本 崇史)
YouTubeを視聴するときのお供に「Tray Volume」
今に始まった話ではないが、YouTubeはよい意味で危険なWebサイトである。一度見始めると、何時間もあっという間に過ぎてしまう。とくに関連動画のリストに並んだリンクを辿っていくと、次々に掘り出し物の動画が見つかり、もうこうなると無限ループから抜け出せなくなる。今年に入り、YouTubeがハイビジョン画質に本格対応したため、ますます魅力にとりつかれる一方だ。
筆者は音楽を嗜むこともあり、いわゆる“弾いてみました”系の動画をよく見るのだが、投稿動画特有の問題で、ある操作の頻度が格段に高くなってきた。それは、音声ボリュームの調整だ。YouTubeの動画、とくに一般ユーザーの投稿動画は音声レベルがまちまちで、聞き取れないほど小さいときもあれば、音割れするほど大きいときもあり、その都度ボリュームを調整しなければならない。
そこで愛用するようになったソフトが、「Tray Volume」だ。本ソフトの利点は、マウスホイールやホットキーでパソコンのマスターボリュームが調整できることと、現在の音量がタスクトイレアイコンで確認できること。ちなみに筆者の環境では、タスクバー上でマウスホイールを回転すると音量が上下するように設定してある。もちろん、本ソフトが活躍する場面はYouTube動画の視聴時だけに限らず、音楽CDを聴くときや、DVDを見るとき、ほかのWebサイトで動画を見るときにも便利だ。
- 【著作権者】
- Koji 氏
- 【対応OS】
- Windows NT/2000/XP/Vista
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.3.7(09/11/20)