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Adobe、「Acrobat DC」「Acrobat Reader DC」の定例アップデートを公開

ユーザーインターフェイスの改善や“Mobile Link”の廃止など。30件の脆弱性も修正

「Adobe Acrobat Reader DC」v15.017.20050

 米Adobe Systems Incorporatedは12日(現地時間)、「Adobe Acrobat DC」および「Adobe Acrobat Reader DC」の最新版を公開した。今回の更新は、新機能やセキュリティの強化、機能の拡張、不具合の修正などを含んだ定例アップデートとなっている。

 まず、ユーザーインターフェイス関連では[最近使用したファイル]画面が改良され、それぞれのファイルに保存されている場所を示すアイコンが追加された。たとえば“OneDrive”や“Dropbox”、“Box”などのクラウドストレージサービスに保存されている場合は、当該サービスのアイコンがファイル名の右隣りに表示される。

 さらに、PDFファイルを開く既定のアプリケーションを「Adobe Acrobat DC」へ変更する際の案内が改善。また、テーマの変更をした際にアプリケーションを再起動しなくても設定が反映されるようになった。

[最近使用したファイル]画面が改良され、それぞれのファイルに保存されている場所を示すアイコンが追加
PDFファイルを開く既定のアプリケーションを「Adobe Acrobat DC」へ変更する際の案内が改善

 その一方で、「Adobe Acrobat DC」「Adobe Acrobat Reader DC」のリリース時に追加された新機能“Mobile Link”は、本バージョンで廃止・削除される。“Mobile Link”は、1つの端末で開いたPDFを自動でAdobeのクラウドストレージへ保存し、他の端末からもシームレスに閲覧できるようにする機能。“Mobile Link”機能による自動アップロードは本日から行えなくなるものの、すでにクラウドストレージへ保存されているファイルは引き続き閲覧できるという。

 なお、本バージョンでは脆弱性の修正も行われているので注意。

 同社が公開したセキュリティ情報(APSB16-26)によると、今回のアップデートで修正された脆弱性はCVE番号ベースで30件。Windows版およびMac版に影響し、深刻度は同社基準で4段階中最高の“Critical”とされている。

 更新プログラムの適用優先度はすべての製品で“2(30日程度以内を目安としたアップデートを推奨)”とされており、旧バージョンの製品を含め、なるべく早いアップデートが必要だ。それぞれの製品バージョンは以下の通り。

  • 「Acrobat DC」(Continuous)v15.017.20050(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC」(Continuous)v15.017.20050(Windows/Mac)
  • 「Acrobat DC」(Classic)v15.006.30198(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC」(Classic)v15.006.30198(Windows/Mac)
  • 「Acrobat XI」v11.0.17(Windows/Mac)
  • 「Reader XI」v11.0.17(Windows/Mac)

 なお、「Acrobat DC」「Acrobat Reader DC」は“Document Cloud”製品の一部として提供されており、機能追加と不具合の修正を逐次配信する“Continuous(連続トラック)”と、「Adobe Acrobat X」「Adobe Acrobat XI」までのように四半期ごとに1回アップデートを配信する“Classic(クラシックトラック)”という2つのリリーストラックで構成されている。一般的なエンドユーザーが同社のダウンロードセンターから入手しているのは“Continuous”版となる。