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「Ubuntu」の利用に“開発者モード”が不要に ~Windows 10 Insider Preview

アプリごとに個別のランタイムブローカーが割り当てられるようになるなどの変更も

公式ブログ“Windows Command Line Tools For Developers”

 米Microsoft Corporationは8日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」のPC版Build 16215を、“Windows Insider Program”の“Fast”リングの参加ユーザーに対してリリースした。本ビルドには、Windows上でUbuntuの「Bash」などを動作させる仕組み“Windows Subsystem for Linux(WSL)”で“開発者モード”の有効化が不要になるなど、開発者向けの改善も多い。

 “WSL”は導入当初、開発者以外のユーザーが誤って有効化するのを防ぐため、「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[開発者モード]セクションで明示的に“開発者モード”を有効化する必要があった。“WSL”は開発以外の用途にも有用であったが、まだ安定性に乏しく、運用にもいくつかの注意が必要であったためだ。

 しかし、2つのメジャーリリースを経て、“WSL”の安全性は着実に向上している。そこで有用性を鑑みて、一般ユーザーでも利用できるように“開発者モード”を要件から外すことにしたという。ただし、依然[Windows の機能]ダイアログから手動で“WSL”コンポーネントを追加する必要はある。

「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[開発者モード]セクション
[Windows の機能]ダイアログ

 また、本ビルドからアプリケーションごとに個別のランタイムブローカーが割り当てられるようになった。これまでのセッション単位でランタイムブローカーを共有する仕組みに比べリソースの管理が容易になるほか、クラッシュした場合の影響を少なくすることができる。

 そのほかにも、Hyper-Vで仮想バッテリーがサポート。「レジストリ エディター」で“Per-Monitor DPI”がサポートされるなどの改善も施されている。

 なお、本ビルドには“Windows Update”からオンデマンドで提供される機能が追加できないという不具合がある。開発者モード、.NET Framework 3.5、音声パックなどが必要な場合は、あらかじめ導入してからアップデートする必要があるので注意。