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「Windows 10 バージョン1909」の月例パッチで一部環境にブルースクリーン、修正版が緊急リリース

WPA3でWi-Fi接続を行う環境に影響。他のWindows 10バージョンには影響なし

定例外の更新プログラム「KB5001028」が公開

 米Microsoftは2月11日(現地時間、以下同)、今月の定例セキュリティアップデートを適用した「Windows 10 バージョン1909」および「Windows Server バージョン1909」の一部に問題が発見されたとして、新しいパッチをリリースした。“WPA3”(Wi-Fi Protected Access 3)を使用してWi-Fi接続を行うデバイスに影響するという。

 同社によると、WPA3接続を開始するとブルースクリーン(BSoD)とともに“nwifi.sys”で停止エラー“0x7E”が発生することがあるとのこと。切断後にWi-Fiネットワークへ再接続したときや、スリープや休止状態から復帰したときに発生する可能性が高くなるという。ただし、多くのWi-Fiネットワークでは“WPA2”が使用されているため、この問題に遭遇する環境はそれほど多くはないと見られている。

 この問題が確認されているのは、以下の2つのパッチ。“Windows Update”を手動チェックしても「KB4601315」のダウンロードが始まらない現象を編集部でも確認していたが、この問題への緊急対応を行っていたのが理由のようだ。

  • 1月21日にリリースされたプレビュー更新プログラム「KB4598298」
  • 2月9日にリリースされたセキュリティ更新プログラム「KB4601315」

 なお、“バージョン1909”のパッチは“バージョン1903”と共通だが、“バージョン1903”は昨年12月にサポートを終了している。また、他のバージョンのWindows 10には今回の問題は影響しない。

 本問題を修正した定例外パッチは「KB5001028」で、“Windows Update”を有効にしているならば自動で適用されるため、ユーザーは何もしなくてよい。何らかの理由でパッチが適用できなかったり、あえて手動で対応したい場合については以下の回避策が案内されている。

  • デバイスを「Windows 10 バージョン 2004」または「Windows 10 バージョン 20H2」にアップデートする
  • WPA2を使用してWi-Fiネットワークに接続する
  • 有線LANを利用する

 とはいえ、「KB5001028」にはWindowsのTCP/IP実装で発見された重大な脆弱性への対処も含まれている。できるだけ早期に適用することを強くお勧めする。