ニュース

Microsoft、「OpenJDK」の自社ビルドをプレビュー公開 ~無償のLTSディストリビューション

Windows(x64)/Mac/Linuxに対応。ARM版Windows 10向けの開発も進む

Microsoft、「OpenJDK」の自社ビルドをプレビュー公開

 米Microsoftは4月6日(現地時間)、「OpenJDK」の自社ビルドをプレビュー公開した。「OpenJDK 11.0.10+9」をベースにした無償の長期サポート(LTS)ディストリビューションで、デスクトップおよびサーバー向けのWindows(x64)、macOS、Linuxで動作する「Java 11」バイナリが含まれている。

 Javaは今日もっとも広く普及しているプログラミング言語の1つで、重要なエンタープライズアプリケーションから趣味のロボットまで、さまざまなシーンで利用されている。Microsoft製品においてもクラウドプラットフォーム「Azure」などで活用されており、同社は「OpenJDK」への関りを深めつつある。昨年発表されたARM版Windows 10向けの「OpenJDK」もその1つで、これはSurface Pro Xといった自社製品だけでなく、Apple Siliconを搭載するMacデバイスへのJava移植にも役立っているという。

 「OpenJDK」のMicrosoftビルドに含まれる「Java 11」バイナリは、「OpenJDK」のソースコードをEclipse Adoptiumプロジェクトで利用されているものと同じビルドスクリプトでビルドしており、Eclipse Adoptium Quality Assuranceスイート(OpenJDKプロジェクトのテストを含む)でテストされている。「Java 11」仕様との互換性をチェックする「Java Technical Compatibility Kit(TCK)for Java 11」もパスしており、他のOpenJDKディストリビューションと簡単に入れ替えられるとのこと。今年後半には「OpenJDK」のMicrosoftビルドが「Azure」全体でデフォルトの「Java 11」ディストリビューションとなる予定だが、ユーザー側でメンテナンスを行う必要はない。もちろん、他のJDKディストリビューションを選択することも可能だ。

 「OpenJDK」のMicrosoftビルドは現在、“GitHub”のプロジェクトページからダウンロード可能。ライセンスは、クラスパス例外付きの“GNU General Public License 2.0”(GPLv2+CE)。「Java 11」は少なくとも2024年までサポートされる。

 同社は次のLTSリリース「Java 17」が最終版になり次第、それに対応した「OpenJDK」のMicrosoftビルドを年内にもリリースする考え。ARM版Windows 10向けの「OpenJDK」は現在、「OpenJDK 16+36」ベースの早期アクセス版が利用可能だが、これも「Java 17」ベースになるものと思われる。