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Embarcadero、「RAD Studio 11.3」「Delphi 11.3」「C++Builder 11.3」をリリース

最新OSをサポート、IDE・ライブラリの熟成を図る。アップグレードの際は操作に注意

「RAD Studio 11.3 Alexandria」

 米Embarcadero Technologiesは2月28日(現地時間)、統合開発環境「RAD Studio」の最新版「RAD Studio 11 Alexandria Release 3」(RAD Studio 11.3、Delphi 11.3およびC++Builder 11.3)の提供を開始した。既存のユーザーは無償でアップグレード可能。30日間無料で試用できるトライアル版も用意されている。

 「11.3 Alexandria」では引き続き使いやすさ、パフォーマンス、安定性など品質に重点を置いた改善が行われている。v11.2以降にリリースされた最新のOSもサポートしており、「iOS 16」(Delphiのみ)、「Android 13」、「macOS Ventura」に対応するネイティブアプリを開発できる。さらに「RAD Studio」ならば、公式アプリケーションのターゲットプラットフォームとして「Windows Server 2022」と「Ubuntu 22 LTS」がサポートされている。

 統合開発環境(IDE)においては、コードエディターで一致する単語を強調表示する機能が追加。開発者がエディターの安定性を損なうことなく機能を拡張できるように、新しい「ToolsAPI」も提供される。「Delphi LSP」(言語サーバー)を介したコーディング支援機能「Delphi CodeInsite」の強化されており、従来はサポートされていなかった領域でのコード補完やナビゲーションがサポートされたほか、安定性も向上しているとのこと。

 そのほかにも、高DPI対応の拡充や生体認証(バイオメトリクス)コンポーネントの提供、「VCL」や「FireMonkey」などのライブラリ拡充などが行われた。

 なお、「RAD Studio 11.x」を利用中で「RAD Studio 11.3」をアップグレードする際、レジストリの削除の提案で[いいえ]を選択すると、レジストリやファイルが「RAD Studio 11.3」へ完全に置き換わらない問題があるので注意。

レジストリの削除の提案。[はい]の選択がおすすめ

 また、無償の「Community Edition」は「10.4 Sydney」シリーズで据え置かれているようだ。無償ライセンスの発行から1年が経過し、ライセンスが切れてしまったユーザーには延長措置が取られている。