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PCからAndroidを操作できるGUIツール「QtScrcpy」v3.0 ~「scrcpy」の派生

PCでスマホゲームを楽しむための機能や複数のデバイスを同時に操作する機能も

PCからAndroidを操作できるGUIツール「QtScrcpy」v3.0

 PCからAndroidを操作できるようにするツール「QtScrcpy」が12月7日、v3.0へとアップデートされた。「scrcpy 3.0」に追従した更新のようだ。

「scrcpy」はコマンドラインツールで入門者には少しハードルが高い

 「scrcpy」は、USB/Wi-Fi接続されたAndroid端末の画面をPCからリモート表示・操作できるアプリだが、コマンドラインツールのため、入門者には少しハードルが高いのがネックだった。

 その点、「QtScrcpy」は、クロスプラットフォーム対応のUIライブラリ「Qt」でユーザーインターフェイスが構築されているため、GUIで操作できるのがメリット。基本的な機能はオリジナルの「scrcpy」を踏襲しているが、独自に拡張している部分もある。

  • ユーザーインターフェイス:「QtScrcpy」は「Qt」を採用
  • ビデオレンダリング:「scrcpy」は「Simple DirectMedia Layer」(SDL)を利用。「QtScrcpy」は「OpenGL」
  • 開発言語:「scrcpy」はC言語。「QtScrcpy」はC++言語
USB接続やWi-Fi接続のボタンをクリックすると、自動で接続可能なデバイスがリストアップされる。ダブルクリックで接続が開始
ログ画面。接続可能デバイスがリストアップされない場合は、ここをチェック。USB接続の場合は開発者機能でUSBデバッグが有効化されているかどうか、Wi-Fi接続の場合は同じネットワークに接続されているかを確認
「scrcpy」の複雑なコマンドラインオプションをGUIで管理。とりあえず初期状態のままでよい

 また、キーマップとグループコントロールという独自機能を実装しているのも魅力。

 キーマップは、キーボード・マウス操作をスマートフォンのスクリーンの特定位置をタップするアクションに書き換える機能。「PUBG」などの人気ゲームに対応したスクリプトがデフォルトで提供されており、スマホゲームをPCで楽しめる。

PCでスマホゲームを楽しむための機能「キーマップ」

 グループコントロールは、複数のデバイスを同時に操作する機能。いろんなAndroidデバイスでアプリをデバッグ・テストしたい場合などに役立つだろう。

複数のデバイスを同時に操作する「グループコントロール」

 「QtScrcpy」は「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「scrcpy」を継承した「Apache-2.0」ライセンス。Windows/Mac/Linuxに対応しており(編集部にてWindows 11で動作確認)、「Android 5.0」以降のデバイスを操作できる。

ソフトウェア情報

「QtScrcpy」
【著作権者】
Barry(@barry-ran) 氏
【対応OS】
Windows/Mac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.0.1(24/12/07)