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「Google Chrome 142」が安定版に ~開発者プログラム「Google Developer Program」を統合

拡張機能やWebRTCなどでセキュリティを強化、WebRTC接続にはポスト量子暗号も

「Google Chrome」にアップデート。Windows環境にはv142.0.7444.59/60が展開中

 米Googleは10月28日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows環境にはv142.0.7444.59/60が、Mac環境にはv142.0.7444.60が、Linux環境にはv142.0.7444.59が順次展開される。

 「Chrome 142」における改善は、おもに開発者向けとセキュリティ関連が中心だ。

 まず、拡張機能ライブラリ「Chrome ウェブストア」のポリシー(CWS)に違反して勝手にインストールされる拡張機能のうち、マルウェアと判定されていないものがサイレントに無効化される。これには、デスクトップでポップアップ広告を表示するなど迷惑な行為を行う「望ましくないソフトウェア」(unwanted software)などが含まれる。

 この仕様変更を防止するポリシーも導入されるが、「Chrome 145」では削除される予定だ。また、組織で管理されているデバイスは対象外となっている。

 次に、「Google Developer Program」(GDP)が「Chrome」のデベロッパーツール(DevTools)に統合される。「GDP」は「Gemini Code Assist」や「Gemini CLI」といった同社のAIツール、クラウドベースの統合開発環境「Firebase Studio」、限定公開プレビューへの優先アクセス、コミュニティへの参加やスキルアップサポートなどをパッケージングした開発者向けプログラム。利用には「Google アカウント」が必要だが、もっとも基本的なプランであれば無償でも始められる。

「Google Developer Program」が「Chrome」のデベロッパーツール(DevTools)に統合
利用には「Google アカウント」が必要

 そのほかにも、WebRTC接続でポスト量子暗号(PQC)が利用可能となったほか、ローカルネットワークへのリクエストを行う機能が制限され、権限プロンプトによって制御される。また、デスクトップ版で導入済みの大規模言語モデル(LLM)を用いたフィッシング軽減策がAndroid版にも導入される。

 なお、本バージョンで脆弱性の修正はアナウンスされていない。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、Windows 10/11に対応している。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデート可能。アップデートを完全に適用するには、「Google Chrome」の再起動が必要だ。