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河口湖に精鋭エンジニア集結! 大自然の中で24時間開発に没入できる「富士山麓AIハッカソン」が素晴らしすぎる

“人類を前進させる”作品が多数登場、非エンジニアだって負けてない!

富士山麓AIハッカソンが行われた「SANU 2nd Home 河口湖 2nd」。素晴らしい環境だ(撮影: g.O.R.i)

 山梨県南都留郡富士河口湖町にある「SANU 2nd Home 河口湖 2nd」において、AI/ストラテジースペシャリスト・清水亮氏が主催する「富士山麓AIハッカソン supported by SANU」が2026年4月20日から4月21日にかけて開催された。

 SANU 2nd Home 河口湖 2ndは、サブスクリプション制セカンドホームを全国展開しているSANUの拠点のひとつ。今回、富士山の麓の自然に囲まれた素晴らしい環境の中、仕掛け人である清水亮氏が選出した国内のトップクリエイター・エンジニアたちによって、まさに日本トップレベルのAIハッカソンが実施された。筆者も同行することができたので、その一部始終をレポートする。

宇宙に凹み(dent)を作って人類を前進させる

 「富士山麓AIハッカソン」の参加者は約21人。その多くが新宿駅から貸し切りバスで現地に向かうことになった。

 集合場所である新宿駅に到着すると、いきなり仕掛け人の清水亮氏から、取材陣は全員ハッカソンの審査員として各チームを採点してほしいと言われた。筆者は、取材をして記事を書くつもりで参加していたので、まさか審査員を務めることになるとは思ってもいなかった。これは責任重大だと感じた。他の取材陣も同じような反応であった。

 バスの中で清水氏が挨拶をし、その後、参加者の自己紹介が行われた。

 途中で河口湖近くの大型スーパーに立ち寄り、参加者は各自、初日の夕食と翌日の朝食用の食材を買い込み、現地に到着した。参加チームは全部で7チームで、各チームは基本的に3人のメンバーから構成されており、それぞれに独立した部屋が与えられ、そこで寝食を共にしながら開発を行うことになる(女性と男性が混在しているチームについては、女性に別の部屋が割り当てられていた)。

河口湖に向かうバスの中で仕掛け人の清水亮さんが挨拶をした。ハッカソンのテーマについては現地で発表される(撮影: g.O.R.i)
ここが富士山麓AIハッカソンの会場となる「SANU 2nd Home 河口湖 2nd」

 部屋に荷物を置いて、参加者が集合。いよいよハッカソンが始まる。

参加者を集め、いよいよハッカソンが始まる

 最初に清水氏が、今回のハッカソンのコンセプト「Project DENT」について説明した。

 DENTとは、英語で「凹み」のことで、Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズが「なぜ働くのか、なぜ生きるのか」というインタビュアーの質問に答えたときの言葉「We're here to put a dent in the universe. Otherwise, why else even be here?」(私たちは宇宙に凹みを作るためにここにいる。でなければ、なぜわざわざここにいる必要があるのか?)から来ている。世界に革命を起こし、人類のあり方を変えるようなインパクトを残すべきだというメッセージである。今回のハッカソンは、その思想を受け継ぎ、宇宙に新しい凹みを作り、人類を前進させようということがテーマだ。

清水氏が今回のハッカソンのコンセプト「Project DENT」について語った。宇宙に新しい凹み(dent)を作り、人類を前進させることがテーマだ

 そのため、作品は人類の未来に貢献する想像力を提供できているかということが審査基準となり、「見栄え」「将来性」「独創性」の3軸で評価する。富士山麓AIハッカソンでは、基本的にゲームという範疇に含まれるものが審査対象となる。開催中、ハッカソンは全部で3回行われ、各ラウンドの点数の合計で優勝チームが決定する。

スタッフの大沼氏が参加者に説明の紙を配った

 参加メンバーは豪華で、AI無職として有名なナル先生、ゲームAIの第一人者である三宅陽一郎氏、「どこでもいっしょ」の生みの親である南治一徳氏、大阪万博・null2パビリオンのプロデューサーである落合陽一氏の研究室に所属する大学院生(null2のアバターシステムを一人で開発された)をはじめ、日本トップクラスのエンジニアが参加した。

 さらに、普通のOLさんやゴールデン街のママさんなど、非エンジニアの参加者がいることも、このハッカソンの特徴だ。生成AIを使ったバイブコーディングでプログラムを作成するなら、プログラミングの知識はほぼ不要であり(もちろんコードがわかれば有利なこともあるが)、アイデアが重要となるこの種のハッカソンでは、非エンジニアが優秀な結果を出すことも多いのだ。

各チームが自己紹介をした。左の2人が「AIもいっしょ」のメンバー
「チーム技研魂」のメンバー
「現実改竄機構」のメンバー

 清水氏から発表された第1ラウンドのお題は、下記の通り。

  • 自然がテーマ
  • AIを使うこと
  • 本数は最低3本、多ければ多いほど加点

 AIを使うことは、AIを使って開発するだけでなく、作品の中でもAIを使うという意味だ。もちろん、各作品はゲームとしてちゃんと遊べることが前提だ。第1ラウンドの制限時間はわずか90分。この短時間で3本作るのはなかなか大変だ。

各チームはそれぞれ指定された棟で開発を行う

波乱の第1ラウンド! 90分で16本ものゲームを作ったチームも

 第1ラウンドの各チームの様子を写真に撮らせていただいた。最低3本ということなので、3人のメンバーがそれぞれ1本ずつ作れば、条件をクリアできる。どのチームも各自で開発をするスタイルをとっていたようだ。

「フツーのOL」の開発中の様子
「null2キッズ」の開発中の様子
こちらも「null2キッズ」メンバーの開発中の様子
「トイトリオ」の開発中の様子
「現実改竄機構」の開発中の様子
「チーム技研魂」の開発中の様子
「ゴールデンシスターズ」の開発中の様子
「AIもいっしょ」の開発中の様子

 90分の開発タイムが終了した後、作業は停止となる。なお、各部屋には360度カメラがセットされており、開発中はその様子が記録されている。筆者を含む審査員が各チームの部屋を回り、審査を行った。

 本数で驚かされたのが「フツーのOL」チームだ。90分間でなんと合計16本ものゲームを作成した。また、「ゴールデンシスターズ」チームも合計12本のゲームを作成。1本1本は小粒なものが多いが、それでも90分でこれだけのゲームを完成させたというのはすごい。この2チームとも非エンジニア中心のチームであることも、また面白い。ベテランエンジニア中心のチームは、1本のゲームを作り込む傾向にあり、合計4本と数は少ないながらも、完成度を重視した作品を制作したところが多かった。

「ゴールデンシスターズ」チームが開発したゲームのひとつ
「フツーのOL」チームが開発したゲームのひとつ。小石を適当に並べて写真を撮る
すると、その小石の配置から星座を作ってくれる
「チーム技研魂」チームが開発したゲームのひとつ。落ち物系パズルの一種だ
「AIもいっしょ」チームが開発したゲームのひとつ。某アドベンチャーゲームを彷彿させる作品だ
「null2キッズ」チームが開発したゲームのひとつ。自然にはないものを見つけだすゲーム
「現実改竄機構」チームが開発したゲームのひとつ。植物を撮影することで点数が入る
「トイトリオ」チームが開発したゲームのひとつ。富士山が噴火し、落石を避けて脱出するゲーム

 第1ラウンドは、開発時間も短く、いわばウオーミングアップともいえるラウンドであり、第2ラウンドから本格的なAIハッカソンがスタートすることになる。

(次のページに続く)