NEWS(11/02/14 15:39)
動作速度に磨きをかけ、ユーザーからのフィードバックを元にUIを改良したIE9 RC版
トラッキング防止機能を搭載したほかActiveXを手軽にON/OFF可能に
“Internet Explorer”の次期バージョン「Internet Explorer 9」(以下、IE9)のリリース候補版(Release Candidate)が、10日に公開された。現在、同社が開設するWebサイト“Beauty of the Web”から、日本語を含む40の言語版をダウンロードできる。本稿ではベータ版からの変更点を中心に、本リリース候補版の機能を紹介する。
IE9の特長は、HTML5やCSS3、SVGといったWeb標準技術への対応を大幅に強化したこと。また、“Chakra”と呼ばれる新しいJavaScriptエンジンを搭載したほか、テキストや動画のレンダリングにGPUのハードウェアアクセラレーション機能が利用可能になり、動きのある表現力豊かなWebコンテンツを快適に楽しめる。
また、[戻る][進む]ボタン、Webページ画面を切り替えられるタブ、検索ボックスを統合したアドレスバーといったコントロールが1列に納められたシンプルなデザインを採用。Webページの表示画面をが広くとられており、低解像度の環境でも快適に利用できる。
本リリース候補版では、“Chakra”やキャッシュ機能のチューニング、コンパイラの最適化などにより、ベータ版を上回る動作速度を実現したほか、メモリの利用量も大幅に削減されている。また、CSS3の“2D Transforms”やHTML5の“Geolocation”に対応するなど、次世代のWeb標準技術への対応も進んだ。これらの機能改善の成果は、デモサイト“Internet Explorer 9 Test Drive”やテストサイト“Internet Explorer 9: Testing Center”で実際に確認することが可能。
さらに、ユーザーインターフェイス面でも多くの改良が見られる。たとえば、コントロール類を2列表示にして、タブバーをほかのコントロールと切り離せるようになった。Microsoftの調査によると97%のユーザーはタブを同時に6個以上開かないという。そのため、ほとんどの環境ではコンパクトな1列表示でも問題はないが、タブを多数開いて利用するヘビーユーザーからの不満が大きかった。
また、ファイルをダウンロードする際に、ダウンロードの進捗状況を通知バーやダウンロードダイアログへ表示可能になった。さらに、アクティブなタブが見やすいようタブバーのデザインが改良されたほか、クリップボードへコピーされたURLへ移動できる機能なども追加されている。これらの改善は、主にベータ版のテスターから得られたフィードバックを参考にして施されたものだ。
そのほか、プライバシー保護に関わる機能が大幅に強化。たとえば、個人のWeb上での活動が意図せずに記録されるのを防止する“追跡防止”機能が追加された。また、ユーザーが許可するWebサイトでのみActiveXの実行を許可できる“ActiveX フィルター”機能などが追加されている。
なお、本リリース候補版は、Windowsの更新プログラムとしてインストールされる仕組みで、インストールすると旧バージョンのIEは利用できなくなる。元の状態へ戻したい場合は、コントロールパネルの“プログラムと機能”にある“インストールされた更新プログラム”からアンインストール可能。
また、本リリース候補版はWindows Vista/Server 2008/7および同64bit版に対応しており、Windows XPには対応しないので注意。IE9はWindows Vista以降に搭載されたグラフィックシステムを利用するため、Windows XPには対応しない。
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- Windows Vista/Server 2008/7/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 9.0.8080.16413(11/02/10)