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Microsoft、「.NET Framework 4.6」を正式公開

対応OSはWindows Vista以降。.NET言語も“C# 6”“VB 14”“F# 4.0”へと更新

 米Microsoft Corporationは20日(現地時間)、アプリケーション実行環境「.NET Framework 4.6」を正式公開した。現在、同社のダウンロードセンターから無償でダウンロード可能。対応OSはWindows Vista以降。

 「.NET Framework 4.6」は「.NET Framework 4」系統の後継バージョン。64bit版CLR(共通言語ランタイム)のSIMD演算サポートや、.NET向けの次世代ジャストインタイム(JIT)コンパイラー“RyuJIT”の搭載によりパフォーマンスが向上した。また、「WPF」および「Windows Forms」で高DPIがサポートされ、4Kモニターなど解像度の高いモニター向けのアプリケーションの開発が容易となる。そのほかにも、Webアプリケーションの実行基盤「ASP.NET 4.6」では、Windows 10環境でHTTP/2がサポートされるなどの改善が盛り込まれた。

 さらに、.NET言語も“C# 6”“VB 14”“F# 4.0”へと更新され、さまざまな拡張が盛り込まれている。特に“C# 6”“VB 14”は、オープンソースで開発されている“Roslyn”と呼ばれる新しいコンパイラープラットフォーム上に構築されている。“Roslyn”はソースコードのコンパイルだけでなく、その過程のコード解析で得られる情報をAPIとして提供し、「Visual Studio 2015」などの開発環境で利用できるようにしたものだ。

「.NET Framework 4.6」「ASP.NET 4.6」が正式版に。「ASP.NET 5」の正式リリースは2016年第一四半期の予定(同社のScott Hanselman氏のブログ記事より引用)

 なお、「ASP.NET 5」の正式リリース(RTM)は見送られている。「ASP.NET 5」はLinux/Macでも動作する「.NET Core 5」をサポートし、より高いパフォーマンスとフレキシブルな運用を可能とするオープンソースの次世代「ASP.NET」。運用環境で利用できる“Go-Live”ライセンスのあるリリース候補版は11月、正式版は2016年第一四半期の公開が予定されている。

(樽井 秀人)