レビュー

練り込まれたステージデザインとドットグラフィックが魅力。記憶喪失の少女が森を征く探索型アクションゲーム「赤い目のレシアス」

壁蹴りジャンプや前転、高速突進技“一閃”を駆使してトラップや敵を乗り越えろ!

「赤い目のレシアス」

 「赤い目のレシアス」は、ダンジョンのような森を舞台に、敵を倒しながら出口を目指す2D横スクロールアクションゲーム。Windowsに対応するフリーゲームで、ベクターのライブラリからダウンロードできる。

 本作は執筆時現在、体験版的な位置付けの“第一話”が公開されている。主人公は、自分の名前以外の記憶をなくしてしまった少女“レシアス”。第一話では彼女が森の中で目覚め、近くの村に住むという少女“ルミナ”との出会いを経て森の外へと向かう道筋が描かれる。

森の中に倒れていた主人公のレシアス。自分の名前以外の記憶を失っている
森の中で出会う少女ルミナ。彼女によると、ここは流星群によってできた地下空洞にある森なのだという
床から突き出る槍などさまざまなトラップのある森を、壁張り付きといったアクションを駆使して進んでいく

 ゲームは敵を倒しつつ、先へと進む道を探しながら進行。レシアスは剣で敵を攻撃できるほか、壁への張り付きやそこからの壁蹴りジャンプ、回避や狭い所をくぐるのに使える前転といったアクションが可能で、これらを駆使してトラップや仕掛けに対処しつつ、入り組んだフィールドを踏破していく。ライフ制を採用しており、敵の攻撃やトラップでライフがゼロになるとゲームオーバー。セーブポイントからやり直しだ。

 作りとしてはオーソドックスな探索型アクションゲームだが、高低差のあるマップや各種ギミック、敵の挙動、セーブポイントの間隔といったステージデザインが丁寧に練られている印象。描き込まれたドットグラフィックによるキャラクターアニメーションや背景美術も見どころで、操作へのレスポンスも良く軽快なアクションを堪能できる。さらに、ゲームを進めると突進技の“一閃”を習得。高速の水平移動にも利用でき、探索においてもアクションの幅が広がっていく。

攻撃にも移動にも使える“一閃”。ボタンを押すと剣を構えるのでタイミングを計り……
ボタンを離すと突進攻撃を行う。真っ直ぐ進みながら穴を越えることもでき、探索でも活用する場面がある

 難易度はやや高め。理不尽な初見殺しなどはほぼ無いが、敵ごとに特徴のある動きをしっかり見切って対処してく必要がある。ダメージを受けたり攻撃を弾かれた時のノックバックも大きめで、ごり押しはまず不可能だ。敵の飛び道具を反撃や移動に利用するような場面もあり、アクションゲームとしてのやり応えを十分に感じられるだろう。なお、敵の動きが遅くなり、ライフを回復できるハート型アイテムの出現ポイントが増えるイージーモードも用意されている。

多彩な攻撃を矢継ぎ早に放ち、なかなか隙のない第一話最終ボス

 第一話のプレイ時間は1時間半程度。ただしこれはあくまでストレートに進めた場合の時間で、リトライを含めた実際のプレイ時間はプレイヤーの腕次第だ。要所ではボス戦も発生し、特に第一話最後のボス戦ではかなりの強敵が待ち構えている。また、フィールドにはライフの最大値を増やすアイテムが隠されていたりなど、探索面も存分に楽しめる内容だ。第二話以降の公開時期等については現状未定とのことだが、続きをプレイできることを是非とも期待したい。

ソフトウェア情報

「赤い目のレシアス」
【著作権者】
まるしゅ 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.01