レビュー
音声解説付き対局動画も作成可能。囲碁の棋譜を閲覧・編集できる定番ツール「MultiGo」
幅広い棋譜フォーマットに対応。クリップボード経由でインポートすることもできる
2018年3月16日 06:00
「MultiGo」は、囲碁の棋譜を閲覧・編集するツール。Windows 2000/XP以降に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。
「SmartGo」の棋譜形式(SGF)をサポートした囲碁の棋譜ビューワー。10年近く開発が停滞している古いソフトだが、基本的な機能は網羅しており、今なお現役で十分使える。BDX/NGF/GOS/GIB/UGF/GOといったフォーマットにも幅広く対応しているのも魅力と言えるだろう。
「MultiGo」は、入門者向けでよく使われる9路盤と本格的な19路盤に対応。棋譜を読み込んで着手を再現したり、着手順を数字で表示したり、盤面を回転・反転させられるなど、基本的な閲覧機能は網羅している。SGF形式の棋譜をクリップボード経由でインポートすることもできるので、Webサイトで公開されている棋譜を取り込むのも簡単だ。
また、編集機能も充実している。たとえば、特定の局面から着手を“分岐”させて、予想されうる変化を“解説”として加えることが可能。盤面を撮影してスクリーンショット画像を作成したり、指定した手数ごとに対局図をプリントアウトしたりといった出力機能も充実している。
なかでも面白いのは、解説動画を作成する機能だろう。[Video]-[Record]コマンドを実行すると盤面の下にビデオバーが現れ、着手の再現や変化の解説を記録できる。[Stop]コマンドで録画を完了するとビデオバーは再生コントロールとなり、記録した動画の再生が行えるようになる。マイク入力を取り込むこともできるので、局面を解説する音声付きの動画を簡単に作成できるというわけだ。
そのほかにも、囲碁の思考エンジン「GNU Go」を登録して対局する機能を搭載。Ben Lambrechts氏が配布しているWindows向けのバイナリをダウンロードして適当なパスに配置し、[Tools]-[Play with GNU Go]コマンドから「GNU Go」を読み込んでやれば、コンピューターとの対戦が気軽に楽しめる。対戦の際は、先後や置き石(Handicap)の数、強さ(10段階)を指定することも可能だ。
ソフトウェア情報
- 「MultiGo」
- 【著作権者】
- Rui Jiang 氏
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 4.4.4(08/01/18)