REVIEW(12/06/05)
“Dropbox”を利用して任意のフォルダを複数PC間で同期させる「Dropboxifier」
シンボリックリンクを管理。原理的には“SkyDrive”“Google Drive”でも利用可能
「Dropboxifier」は、オンラインストレージ“Dropbox”を利用して複数のPC間で任意フォルダの内容を同期可能にするソフト。Windows Vista以降に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、“Codeplex”のプロジェクトページからダウンロードできる。なお、動作には“Dropbox”の公式クライアント「Dropbox」と.NET Framework 4が必要。また、本ソフトの配布ファイルは圧縮されておらず、実行ファイルそのものとなっている。
“Dropbox”では、同期対象のフォルダを1つしか選べない(既定ではユーザーフォルダ内に作成される“Dropbox”フォルダ)。しかし、ゲームの設定ファイルやセーブデータなど、保存先が固定されているデータを同期したい場合、任意のフォルダを複数同期できると便利だ。競合サービスのなかには、“SugarSync”などのように、もとから複数フォルダの同期をサポートしているものも存在する。
しかし“Dropbox”でも、OSのジャンクション機能やシンボリックリンク機能を活用すれば、同期フォルダ以下にはないフォルダを同期対象に含めることが可能。本誌でも、シンボリックリンクを作成できるGUIツール「Link Shell Extension」を利用して、複数のフォルダを“Dropbox”で同期する方法を紹介したことがある。しかしこの方法は、シンボリックリンクの扱いに慣れていないと、最悪の場合、操作を誤ってファイルを失ってしまう恐れがあるのが難点。
そこでお勧めなのが「Dropboxifier」だ。シンボリックリンクの作成と管理を同時に行なってくれるので、複数PCでの同期のセットアップにかかる手間を省くことができる。
利用するには、まず“Dropbox folder”欄へ“Dropbox”フォルダのパスを入力する。これは、それぞれのPCで初回利用時に行う必要がある。
次に、同期対象のフォルダを登録する。本ソフトでは、これを単に“リンク(Link)”という単位で管理する。“リンク”には名前と、PC名とソース(Source:同期フォルダのパス)のペアが記憶されている。“リンク”を作成すると、同期対象のフォルダはシンボリックリンクに置き換えられ、内容が“Dropbox”フォルダ直下に作成されたリンク名のフォルダへ移動される。
“リンク”の情報は、“DropboxifierLinks.xml”というXML形式のファイルとして“Dropbox”フォルダに保存され、オンラインストレージやそのほかのPCと同期される仕組み。
ほかのPCで「Dropboxifier」を起動すると“DropboxifierLinks.xml”が読み込まれ、まだ同期のセットアップが完了していないフォルダに“!”マークが付与されるので、同期したいフォルダを指定しよう。
そのとき、同期方法として“Merge(同じ名前のファイルがある場合は新しいファイルで上書き)”、“Override(すべて上書き)”、“Delete and Link(指定したフォルダを空にしてリンク)”の3つが選択可能。よくわからない場合は“Merge”を選択することが推奨されている。万が一、必要なファイルを上書きしてしまった場合は、“Dropbox”のリビジョン管理機能で復元することになる。
なお、本ソフトはもともと“Dropbox”向けに開発されたソフトだが、「SkyDrive」や「Google Drive」などのオンラインストレージクライアントと組み合わせることも可能であるとのこと。また、現時点での開発ステータスはベータ版となっているため、定期的にデータのバックアップをとることをお勧めする。
- 【著作権者】
- dpgagnon 氏
- 【対応OS】
- Windows Vista以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 0.1.8(12/04/24)