レビュー

Windowsアプリをコマンド一発で導入できるパッケージ管理システム「Chocolatey」

「Web PI」「RubyGems」「Cygwin」「Python」も扱える

「Chocolatey」v0.9.8.20

 「Chocolatey」は、コマンドラインによるアプリケーションの導入や削除を実現するパッケージ管理システム。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8で動作を確認した。本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

 パッケージ管理システムとは、アプリケーションやコンポーネント、ライブラリなどの管理を円滑に行うための仕組み。アプリケーションやライブラリを構成するファイル群を1つの“パッケージ”ファイルにまとめ、それを“レポジトリ”(多くの場合、ファイルサーバー)へ保管し、コマンドで取得・セットアップを行う。動作に必要な外部コンポーネントがあれば、その導入も自動で行われる(依存性の解決)のが一般的で、アプリケーションのインストールやアンインストールの手間を省くことができる。

 Linuxディストリビューションの多くは“apt-get”や“yum”といったパッケージ管理のためのコマンドを備えており、コマンドを入力するだけで手軽にソフトをダウンロード・インストール・アンインストールできて非常に便利。「Chocolatey」はこれをWindows環境で実現しようという試みだ。

インストール可能なパッケージの数は執筆時現在約1,000種類

 「Chocolatey」は.NET Frameworkのライブラリやコンポーネント向けのパッケージ管理システム「NuGet」がベースで、アプリケーションのダウンロード先やインストール処理を記述したPowerShellスクリプトをパッケージ化してレポジトリへ登録する仕組みになっている。インストール可能なパッケージの数は執筆時現在約1,000種類で、海外製を中心に有名ソフトはほぼ網羅されているようだ。

 「Chocolatey」をセットアップするには、以下のコマンドを「コマンドプロンプト」に貼り付けて実行するだけでよい。

@powershell -NoProfile -ExecutionPolicy unrestricted -Command "iex ((new-object net.webclient).DownloadString('https://chocolatey.org/install.ps1'))" && SET PATH=%PATH%;%systemdrive%\chocolatey\bin

 セットアップが完了すれば“chocolatey install (パッケージ名)”コマンドでインストールが、“chocolatey uninstall (パッケージ名)”コマンドでアンインストールが行えるようになる。短縮形のコマンド“cinst”“cuninst”を利用することもできる。

 さらに、参照するリポジトリを“-source”オプションで切り替えて「Web Platform Installer(Web PI)」「RubyGems」「Cygwin」「Python」のパッケージを扱うことも可能。Windowsの機能を有効化・無効化することもできる。

「ChocolateyGUI」v0.9.8.20

 なお、「Chocolatey」の魅力はコマンド一発でアプリがインストールできる点にあるが、なかにはコマンドラインがどうしても苦手だという人もいるかもしれない。そんなユーザーには、「ChocolateyGUI」がお勧め。「Chocolatey」のセットアップ完了後に以下のコマンドを入力して、インストールを行おう。

cinst ChocolateyGUI

 「ChocolateyGUI」を利用すれば、パッケージの管理がGUIで行える。システムにインストールされたパッケージやリポジトリに登録されているパッケージの一覧を取得したり、パッケージを検索できるのも便利。

ソフトウェア情報

「Chocolatey」
【著作権者】
Rob Reynolds 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 8で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.9.8.20(12/12/11)
「ChocolateyGUI」
【著作権者】
Christiaan Baes 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 8で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.11.1(13/02/24)

(柳 英俊)