レビュー

無敵の主人公が少女を守って戦うアクションゲーム「アトの跡~序章~」

不思議なファンタジー世界で展開される物語にも注目

「アトの跡~序章~」

 「アトの跡~序章~」は、ロボットのような主人公が少女を守りながら戦う2Dアクション・アドベンチャーゲーム。Windows XP/7に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1でも動作を確認した。

 主人公は“ミタイ”と呼ばれる、人間でも機械でもない存在。攻撃は最初、チェーン(自分の周りを回転する刃)だけだが、敵を倒すとブーメラン、ボム(投擲爆弾)を入手でき、そのうち2つを随時切り替えて使える。

 攻撃キーを押しっぱなしにすると、攻撃範囲や攻撃力が増すチャージ攻撃を繰り出せる。また敵の攻撃が近付いてきたところで、タイミングよく発動することで攻撃を消し去る“相殺行動”というアクションも用意されている。

 主人公にはHPがあるものの、0になっても倒れることはなく、移動や攻撃の能力が低下するのみで、しばらくすると自動で回復する。いわば無敵の存在だ。

 ゲームを進めていくと、途中で“ヒヨ”という少女に出会う。彼女は主人公の後ろを歩いてついてくるのだが、直接的な戦闘力はなく、敵の攻撃を受けるとライフを減らしてしまう。彼女のライフが0になるとゲームオーバーだ。ヒヨはとにかく後ろをついてくるだけなので、うまく誘導して敵の攻撃を避けていく必要がある。しかし時には、主人公が自らを盾にしてでも、少女を守りながら進まなくてはならない。

途中で出会った少女“ヒヨ”。主人公の後ろをついてくるので、守りながら戦う

 本作にはアクションで進む場面のほか、物語の要素もある。しゃべれないが無敵の強さをもつ主人公は、謎の物体に襲われる少女を助け、お互いの目的のために協力することになる。また肉体派と頭脳派のデコボコ盗賊兄弟や、主人公とは別のドラム缶のような見た目をした“ミタイ”も現れる。セリフだけでなく、小さなキャラクターのジェスチャーによる芝居もなかなか可愛らしい。

 タイトルにあるとおり本作はまだ序章だが、ファンタジーっぽくもありSFっぽくもある不思議な世界観で、先々が楽しみな内容になっている。

アクションだけでなく、ストーリーが進行するアドベンチャー的な要素もある。ゲーム開始直後はちょっとした脱出ゲームのようになっているのも面白い

ソフトウェア情報

「アトの跡~序章~」
【著作権者】
ほしさらい
【対応OS】
Windows XP/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(13/11/26)

(石田 賀津男)