レビュー
Excelを便利にする180以上の機能を体系化したアドイン「RelaxTools」
文字種チェックや一括編集など、日常的な処理を快適に実行
(2014/1/29 17:31)
「RelaxTools」は、「Microsoft Excel」に数多くの機能を追加するマクロを体系化し、独自のリボンから各機能を呼び出せるようにするアドイン。作者によれば2009年から作成したマクロの集合体であり、機能数は180を超えるという。「Microsoft Excel」2007/2010/2013に対応しており、作者のWebサイトからダウンロード可能。
そもそもExcelほど多くのユーザーに親しまれながらも、ユーザースキルによって利便性が変化するアプリケーションはない。単なる表計算ソフトウェアの域を超え、グラフ作成やマクロによる自動化など、数多くの機能を備えている。だが、その機能すべてを使いこなすにはExcelの各所に精通しなければならないため、未体験の機能に出くわすのも珍しいことではない。
そこで本アドインではExcelが備えるマクロ機能を駆使し、Excel本体だけではできなかったり、1ステップでは実行できない機能を1つのリボンにまとめている。本アドインを導入すると、Excelブック(ファイル)に対するGrep検索や、表組みをHTMLに変換する機能、文字数・バイト数の確認など、かゆいところに手が届く機能を呼び出すことが可能だ。
付属ドキュメントに従ってアドインのインストールを終えると、リボンに[RelaxTools]というタブが加わり、各機能を1クリックで呼び出せるようになる。機能はリボン内でセクション分けされており、先頭の[開く・検索・印刷]セクションにはファイルの保存などExcelの基本的な機能を呼び出すボタンも並ぶため、常に[RelaxTools]タブを開いた状態で使用できるのは便利だ。
それでは「RelaxTools」の各機能をチェックしていこう。検索はセルおよびシェイプに対する通常検索や正規表現検索、そして指定フォルダに対するGrep検索が可能。普段から正規表現に親しんでいるユーザーであれば検索条件を絞り込みやすく、Excel標準の検索機能よりも適切な検索が実行できるだろう。
Grepは指定フォルダ以下の各Excelブックを自動で開き、検索を実行する方式。そのため大量のファイルを検索対象とした場合、必ずしも快適とは言い難い。マクロや他のファイルを参照する仕組みをもつExcelブックが混じると意図しない動作が発生することもある。とはいえ、複数のExcelブックを手動で開き、検索を実行する手間を考えると有用な機能であることは事実だ。
シートに対するチェック機能や編集機能も注目に値する。たとえば半角・全角文字が混在するシートを作成した場合、[チェック]ボタンの文字属性チェックを実行することでいずれかの文字種を含むセルをハイライト表示できる。
複数のセルに対して一括で操作を行う時は、[編集]ボタンから呼び出せる各機能が頼もしい。選択したセルに対して前後の空白削除や文字列の挿入、先頭・末尾から指定した文字数の文字列を削除といった操作を行えるため、単純作業を繰り返さずに済む。どちらも整然としたシートの作成に役立つため、日々の作業に大きく寄与するはずだ。
個人的に便利だったのが[かんたん表]ボタンだ。文字どおり1クリックで罫線や配色を伴う表を作成する機能を備えており、セルを選択して同ボタンから好みのパターンを選択するだけで、カラフルな表を作成できる。ゼロから表を作成する機会が多いユーザーに有用な機能だ。また、同ボタンから表をテキスト形式やHTML形式に変換することもできる。
このように数多くの機能を備える「RelaxTools」は、インストールしてもタブの1つとして追加されるため、普段の操作性を邪魔するものではない。また、Excel 2007以前の印刷プレビュー機能や、Excel 2003と同じ配色をシンプルなカラーパレットから選択する機能など、マイクロソフトが捨てた下位互換性を復活させる機能も備わっている。きっと求める機能に出会うことができるだろう。
なお、作者サイトに用意されたコラムでは、“シートの表示/非表示を切り替えたい!”といった目的別に「RelaxTools」の機能を個別に紹介しているので、自身が欲する機能が備わっているか参考にしてほしい。
ソフトウェア情報
- 「RelaxTools」
- 【著作権者】
- Y.Watanabe 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.23(14/01/23)