レビュー
自分の耳で聞き比べながらサウンドの音量補正が行える「Volt」
キー操作で自在に音量を調整。音量に応じて背景色が変わるので視覚的にも分かりやすい
(2015/1/28 11:00)
「Volt」は、サウンドファイルの音量を調整するためのツール。Windows Vista/7に対応するフリーソフトで、動作には.NET Framework 4以降が必要。編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。
本ソフトは、サウンドファイル間にある音量差を調整し、音量正規化(ノーマライズ)するためのツール。機械的に一律で補正するのではなく、実際に自分の耳で聞きながら調整することに主眼が置かれているのが特徴。コマンドラインからの制御も可能で、機械的な補正もけっして苦手というわけではない。
利用するには、まず「Volt」へサウンドファイルを追加する。[File]-[Add Files]メニューでファイルダイアログを開いてファイルを指定してもよいし、メインウィンドウへファイルをドラッグ&ドロップしてもよい。
サウンドファイルが追加されると、メインウィンドウに一覧表示される。この一覧では、長さやチャンネル数、ビット数、サンプリングレート、ラウドネスといった情報に加え、サウンドの波形などが確認できる。
それぞれのサウンドは、ダブルクリックやスペースキーで再生が可能。範囲を指定して再生したり、ループ再生をすることもできる。このような機能を活用してサウンドを聞き比べながら、左右の矢印キーで音量を調整するのが、本ソフトの基本的な使い方だ。ラウドネス値によってサウンドの背景色が変化するので、音量が視覚的にも分かりやすくなっているのがうれしい。そのほかにも、波形画面で選択した部分(リージョン)の音量のみを増減することも可能。波形を分析して適切なリージョンに自動分割する機能を備えているので、音量を部分的に調整する際には役立てたい。
音量の調整をしたサウンドファイルを出力するには、ファイルを選択して[File]-[Bounce]メニューを選ぶ。すると[Bounce]ダイアログが現れるので、ここでフォーマットや出力先を指定すればよい。[File]-[Output CSV]メニューを選択すれば、音量の調整値のみをCSV形式で出力することも可能だ。
なお、本ソフトはWAVE/AIFF/MP3/AAC/Ogg Vorbis/WMAに対応するが、MP3/AAC/Ogg Vorbisを出力するには“lame.exe”などの外部コンポーネントを必要とするので注意。
ソフトウェア情報
- 「Volt」
- 【著作権者】
- Takafumi Inamori 氏
- 【対応OS】
- Windows Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.5.1(13/08/27)