レビュー

GPUを活用可能。アニメ調の画像を高品質に拡大できる「waifu2x-caffe」

Webサービス“waifu2x”のWindows移植版

「waifu2x-caffe」v1.0.1

 「waifu2x-caffe」は、アニメ調の画像を高品質に拡大できるツール。Windows Vista以降の64bit版Windowsに対応しており、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。“GitHub”のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。なお、実行には「Visual Studio 2013 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ」が必要。

 本ソフトは、与えられた画像を“縮小されたもの”と解釈し、その元の姿を機械学習を利用した人工知能で推測、復元するタイプの画像拡大ツール。

 オリジナルは、Webサービス“waifu2x”として公開されており、従来の単純な拡大処理よりもノイズやジャギーの少ない、驚くほどハイクオリティな拡大画像が得られるとして話題になり、一時期はサーバーのレスポンスが悪化するほどの人気ぶりだった。そのため、公開されていたソースコードをもとに、Windows環境で動作する移植版も開発されている。先日、窓の杜で紹介した「waifu2x-converter」「waifu2x_win_koroshell」もその一つだ(拡大サンプルなどは当該記事を参照のこと)。

 それらのツールと「waifu2x-caffe」との違いは、「Caffe」と呼ばれるフレームワークを利用してソースコードが書き直されていること。このフレームワークはGPUを利用した計算が可能で、高速かつ省メモリでの動作が期待できる。

 「waifu2x-caffe」には、CUI版とGUI版が用意されている。他のツールと連携させたり、一度に大量の処理を行いたい場合はCUI版が便利だろう。気軽に利用したい場合は、GUI版がおススメだ。

 GUI版の利用方法は、基本的に“入力”欄で画像ファイルを指定して[実行]ボタンを押すだけでよい。画像ファイルの指定は、ドラッグ&ドロップでも行える。また、変換の際はノイズ除去の有無や強度、拡大率などを指定することが可能。もし拡大処理でエラーが発生する場合は、“プロセッサー”欄で“GPU”ではなく“CPU”を指定してみよう。動作速度は著しく低下するが、拡大処理は正常に行えるはずだ。

 なお、本ソフトはNVIDIA製GPUでのみつかえる高速な機械学習向けのライブラリ“cuDNN”を利用することも可能。別途“cuDNN”を入手してセットアップを行う手間はかかるが、NVIDIA製GPUを搭載している環境ならば試してみる価値がある。

ソフトウェア情報

「waifu2x-caffe」
【著作権者】
lltcggie 氏
【対応OS】
64bit版のWindows Vista以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.1

(樽井 秀人)