REVIEW(10/01/20)
Googleが開発中の新しいプログラミング言語“Go”をWindowsで「go-windows」
“Go”のためだけにLinux/Mac OS X環境は作れないという人のために
「go-windows」は、Googleが開発中の新しいプログラミング言語“Go”のWindows向け実行環境。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows Vista/7で動作を確認した。“Google Code”内の本ソフトのページからダウンロードできる。
プログラミング言語“Go”とは、Googleが新規に開発を進めているプログラミング言語。言語仕様がシンプルでコンパイルや実行が速く、同期処理が容易に行えるように設計されているのが特長。まだ生まれたばかりの言語なので、ライブラリや機能などの点では既存の言語に劣る部分も少なくないが、今後の成長が楽しみな言語だ。
しかし、今のところ“Go”が公式サポートするOSはLinux/Mac OS Xのみ。仮想PCなどでLinux環境を用意するという手もあるが、そこまでするのは面倒だというWindowsユーザーも多いだろう。
そんなときは「go-windows」を利用してはどうだろうか。Windows向けのコンパイラやリンカといったコマンドラインツールが一式用意されており、実際に“Go”で記述したソースコードを実行ファイルへと変換できる。
今回は例として、公式サイト“The Go Programming Language”のトップページに掲載されているソースコードを実行してみよう。なお、「go-windows」は“C:\golang\”へ、ソースコードは“C:\go-src\hello\”へ配置するものとする。
まず、環境変数を設定しよう。“PATH”変数に“C:\golang\bin”という値を加え、“GOROOT=C:\golang”“GOOS=mingw”“GOARCH=386”という変数・値を3セット追加する。環境変数の編集ソフト「Rapid Environment Editor」を利用すると編集作業が楽になるのでお勧め。
次に、テキストエディターへ下記のソースコードを入力しよう。
package main import "fmt" func main() { fmt.Printf("Hello, 世界\n") }
ファイル名は“hello.go”としておき、作業フォルダ(“C:\go-src\hello\”)へ保存する。その際、文字コードはUTF-8を指定しよう。続いてコマンドプロンプトを起動し、“cd”コマンドで作業フォルダへ移動したあと、以下のコマンドを実行すれば、ソースコードがコンパイル・リンクされる。
C:\go-src\hello>8g hello.go # hello.8 が生成される C:\go-src\hello>8l hello.8 # 8.exe が生成される
では、実際に実行してみよう。
C:\go-src\hello>8 # 8.exe を実行 C:\go-src\hello>Hello, 荳也阜 # 結果
無事に実行することができたが、結果が文字化けしてしまった。文字化けを解消するには、コマンドプロンプトでUTF-8を表示可能にする必要がある。管理者権限で起動したコマンドプロンプト上で、「reg add "HKLM\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Console\TrueTypeFont" /v "000" /t "REG_SZ" /d "MS UI Gothic"」というコマンドを実行しよう。
続いてコマンドプロンプトを再起動してコードページを“65001”(UTF-8)へ変更したあと、もう一度“8.exe”を実行すれば、正常な出力を得られる。
C:\go-src\hello>chcp 65001 # アクティブコードページを変更 Active code page: 65001 C:\go-src\hello>hello # hello.exe を実行 Hello, 世界 # 結果
これだけでは面白くないというユーザーは、ぜひ公式サイトなどを参照しつつ習得してほしい。
- 【著作権者】
- hectorchu 氏
- 【対応OS】
- Windows(編集部にてWindows Vista/7で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1(09/11/23)