レビュー
システム全体の音質を変化させられるイコライザー「Equalizer APO」
Webブラウザーで再生しているYouTube動画の音声にも適用される
(2016/5/17 16:57)
「Equalizer APO」は、システムワイドに動作するオープンソースのイコライザー。Windows 7/8/8.1/10に対応するフリーソフトで、“SourceForge.net”からダウンロードできる。
本ソフトは、低音・中音・高音などを個別に音量調節できるイコライザー。低音と高音を強調してメリハリのある音質にしたり、中音を際立たせてボーカルにフォーカスするといった使い方をするツールだ。
最大の特徴はシステムレベルで動作すること。本ソフトのイコライザー機能は、Windows Vista以降で搭載されているシステムエフェクトのための仕組み“Audio Processing Object(APO)”として実装されている。そのため、システム全体のサウンドを自分好みにカスタマイズすることが可能。イコライザー機能を備えていないアプリケーションやシステムの通知音などに対しても有効で、Webブラウザーで再生しているYouTube動画の音声にも適用される。
それでいてレイテンシ(処理による遅延)も少なく、CPUの利用率も抑えられているとのことで、編集部の試用でもパフォーマンス面での問題は感じられなかった。
イコライザーの設定は「Configuration Editor」というGUIエディターが付属しているのでそれほど難しくない。音楽でも再生させながらグラフィックイコライザー(Graphic EQ)を操作すれば、音質を調整しているのが体感できるはずだ。設定はテキストベースで保存され、テキストエディターで編集することもできる。
また、初期状態ではグラフィックイコライザーなど3つのフィルターが追加されるが、これらは自由に追加や削除が可能。たとえば、変化させる周波数を調整できるパラメトリックイコライザーや、低音・高音をカットするハイ・ローパスフィルターなどを利用することもできる。
なお、セットアップ時にどのデバイスへ“APO”をインストールするか選択する必要があるが、通常は再生(Playback)の既定のデバイス(default device)にチェックを付けておけばよい。
また、本ソフトは原理的にはWindows Vistaでも動作するはずだが、最近ではテストされていないとのことなので、Windows 7以降での利用がおすすめ。加えて本ソフトを利用するには“APO”をサポートしたサウンドカードドライバーが必要となる(最近のものであれば問題はない)ほか、システムのエフェクト機構をバイパスした特殊なアプリケーションに対しては本ソフトの効果はないので注意したい。
ソフトウェア情報
- 「Equalizer APO」
- 【著作権者】
- Jonas Thedering 氏
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1.1 beta(15/12/09)