杜のAndroid研究室

第138回

Android端末でWindowsをリモートコントロール「ウィンドウズコントローラー」

デスクトップを表示するだけでなく、特定ソフト専用のコントローラーとして利用可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Android端末をPCのコントローラーにできるアプリ「ウィンドウズコントローラー」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

クライアントソフトをインストールしたPCをリモート操作

「ウィンドウズコントローラー」

 「ウィンドウズコントローラー」は、Android端末をPCのコントローラーにして、リモート操作できるアプリ。通常のリモートデスクトップアプリのように、PCのデスクトップをAndroidの画面に表示して操作するだけでなく、“スキン”を切り替えることでAndroidの画面を特定ソフト専用のコントローラーやテンキーにして、PCでのさまざまな入力操作を行うことが可能。利用するにはあらかじめPCへWindows XP/Vista/7/8に対応した無料のクライアントソフトをインストールしておく必要がある。クライアントソフトのインストール時には、ドライバーのインストールが同時に行われる。また、ミラーディスプレイドライバー「DFMirage」を別途インストールすることで、使用時のCPUの負荷を軽減することが可能となっている。

 本アプリでリモート操作する際の接続方法は、無線LAN接続のほか、Bluetooth経由やインターネット経由の接続も選択可能。なお、インターネット経由で接続する際には、PCが接続されたルーターなどの設定で任意のポートを開放する必要がある。無線LAN経由で接続する場合は、PCのクライアントソフトを起動し、[接続]タブで“LAN”を選択して[接続]ボタンをクリックする。次に、[ログ]タブを選択すると、IPアドレスとポート番号が表示されているので確認しよう。

 続いて、Androidアプリの起動画面のメニューから設定画面を表示したら、[接続]ツリーを展開して[追加]項目を選択する。次に、表示された画面で[TCP/IP]項目を選択して先ほどのIPアドレスとポート番号を入力し、[OK]ボタンを押す。接続設定は以上で完了だが、PCのデスクトップをAndroidの画面に表示するためには、さらに、[スクリーン]ツリーの“表示方法”ラジオボタンで[キャプチャ]項目を選択する必要がある。また、[スクリーン]ツリーの下部では、Androidに転送するデスクトップの映像の画質や解像度を調整可能。画面上部の[戻る]ボタンを押して、設定画面を閉じると接続が行われ、画面にPCのデスクトップが表示される。

無線LANで接続する場合は、PCのクライアントソフトの[接続]タブで“LAN”を選択し、[接続]ボタンをクリック
[ログ]タブを選択し、表示されているIPアドレスとポート番号を確認
Androidアプリの設定画面で[接続]ツリーを展開して[追加]項目を選択する
[TCP/IP]項目を選択し、PCのクライアントソフトに表示されているIPアドレスとポート番号を入力して[OK]ボタンを押す
設定画面の[スクリーン]ツリーで[キャプチャ]を選択すると、PCのデスクトップを画面に表示できる

 なお、[スクリーン]ツリーで“キャプチャ”以外の“グリッド”や“センターサークル”を選択した場合、黒背景にグリッドなどを重ねた画面が表示され、グリッドなどを目安にタッチすることでデスクトップのリモート操作を軽快に行える。また、ウィンドウズコントローラーはPCの音声をAndroidに転送できることも特徴となっており、音質を調整したり、音声を無効にすることで負荷の軽減を図ることが可能。

デスクトップをタッチ操作でき、テキスト入力も可能

 PCのデスクトップを表示した画面では、画面下部右側のボタンをタッチして、“タッチ”モードと“ディスプレイ”モードを切り替え可能。タッチモードでは画面をタッチしたり、なぞることでデスクトップをマウスでクリックしたり、ドラッグするような操作を行える。また、マルチタッチにも対応し、Windows 8のストアアプリをタッチパネルで操作するように扱うことが可能。ディスプレイモードではデスクトップの表示範囲の変更が可能で、ダブルタップやピンチイン・アウト操作でデスクトップの拡大・縮小ができるほか、ドラッグで表示位置を移動させることができる。

“タッチ”モードでは、Androidの画面をタッチすることで、PCのデスクトップ上でクリックなどの操作を行える
画面中央右側のボタンをタッチして“ディスプレイ“モードに切り替えると、ドラッグやピンチイン・アウト操作でデスクトップの表示範囲を変更可能

 また、画面下部中央の[Windows]ボタンをタッチすると、Windows 7以前のPCでは[スタート]メニューが表示され、Windows 8のPCをリモート操作している場合はスタート画面を表示可能。

キーボード型ボタンをタッチすることで、キーボードを表示し、PC上でテキスト入力することが可能

 さらに、画面下部左側のキーボード型ボタンをタッチすると、キーボードが表示され、PC上のテキストエディターなどでテキストを入力することが可能。キーボードは、設定画面の[キーボード]項目で配列を“国際配列”と“日本語配列”から選択できるほか、[ディスプレイ]項目の“パネルの透過度”を調整すると、キーボードを半透明にしてデスクトップを見えやすくすることができる。

“スキン”を変更して、さまざまなコントローラーとして使える

 メニューの[スキン]項目から“スキン”を変更することで、画面の外観を変え、特定のソフトの操作に特化したコントローラーとして使うことができる。“スキン”は作者サイトから無料でダウンロードでき、Webブラウジング用のコントローラーやテンキーなどが用意されている。また、PCのデスクトップを画面中央に表示し、周囲に操作用のボタンを配置したPowerPoint・Photoshop用のコントローラーや、オンラインゲーム用のゲームパッドとなる各“スキン”も用意。なお、PCのクライアントソフトに同梱された「スキン作成ツール」で“スキン”を自作することもできる。

メニューの[スキン]項目から“スキン”を変更できる
[ダウンロード]ボタンから[公式サイトより探す]ボタンを選択することで、作者サイトのダウンロードページにアクセス可能
Webブラウジング用のコントローラーやテンキーなど、さまざまな“スキン”が用意されている
PCのデスクトップを画面中央に表示し、周囲に操作用ボタンを配置するPowerPoint用の“スキン”などもある

 なお、本アプリは420円の有料アプリとなっているが、別アプリとして無料体験版も公開されている。あらかじめ無料体験版で動作確認をした上で有料版を購入するとよいだろう。

「ウィンドウズコントローラー」
【著作権者】
TNK Software
【対応OS】
Android 2.2以降
【ソフト種別】
ダウンロード販売 420円
【バージョン】
1.7(13/03/23)

(ライターズハイ:鈴木 友博)