いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】分数を入力したら日付が表示された? エクセルで分数を扱いたい!

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

セルに分数を入力したいのに日付に変換されてしまう

 セルに「1/3」「2/6」といったような分数を入力したいときは、どうしたらよいのでしょうか?

 まず思いつくのは、分数の表記通りに分子と分母の間に「/」を入力する方法です(①)。

 しかし、「1/3」と入力して[Enter]キーを押すと、勝手に日付と解釈されてしまい、日付に変換されてしまいました(②)。

 セルに入力した分数が一度、日付と解釈されてしまうと、あとからセルの書式を文字列に設定しても、元には戻せません。たとえば「2017/1/3」の場合は「42738」というシリアル値で表示されるだけなので、同じセルにもう一度「1/3」と入力する必要があります。

 このように、Excelで分数を入力しようとしたら日付に変わってしまって困った経験があるという方も多いのではないでしょうか? これは、エクセルで数値を「/」で挟んで入力すると、日付と認識されることから頻発するトラブルなのです。

 では、Excelでセルに分数を入力するにはどうしたらよいのでしょうか? 今回は3つのテクニックを紹介します。

テクニック1 分数の前に「’」を付けて文字列として入力する

 まずは文字列として分数をセルに表示させるテクニックを紹介します。

 「’1/3」のように、分数の数値の前に[Shift]+[7]キーで半角「’」(シングルクオーテーション)を付けて入力します(①)。

 次に[Enter]キーを押して入力を確定します(②)。

 先ほどのように日付に変換されることなく、セルに入力したとおりの分数「1/3」が表示されました(③)。

 冒頭に「’」を付けてセルに入力したデータは文字列として扱われるようになるため、日付に変更されないのです。あらかじめセルの書式を「文字列」に設定しておくことでも、同様の結果となります。ただし、これらの方法で入力したデータは文字列となるため、数式を使った計算に使えなくなるというデメリットがあります。

テクニック2 分数の前に「0」と半角スペースを付けて数値として入力する

 文字列ではなく、数式計算に使える数値としてセルに分数を入力したいときは、「0 1/3」のように、分数の前に「0」と半角スペースを入力しましょう(①)。

 次に[Enter]キーを押して入力を確定します(②)。

 セルに入力した分数が日付に変換されることもなく、セルに表示されました(③)。この方法で入力したデータは数値なので、数式を使った計算でも利用可能です。

 ただし、まったく問題がないわけではありません。この方法で分数を入力すると、「3/6」「6/9」「12/16」などのように約分できる分数は、それぞれ「1/2」「2/3」「3/4」のように約分されて表示されます。約分せずに表示したい場合は、次のようにして分母の数字をセルの書式で設定します。

テクニック3 分数をできるだけ約分せずに数値として入力する

 分数を約分せずにセルに入力・表示するには、まず[数値]グループの右下にある矢印(①)をクリックし、[セルの書式設定]ダイアログボックスを開きます。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが開いたら、[表示形式]タブ(②)から[ユーザー定義](③)の書式設定を選択し、[種類]の欄に、「# ?/」に続けて分母の数字を入力します(④)。

 たとえば分母を9にする場合は「# ?/9」と入力します。分母を指定したら[OK](⑤)をクリックして決定します。

 書式を設定後、セルに「6/9」と入力すると、約分されない状態の分数が表示されます(⑥)。

 数値の分母が決まっているときは、この方法でセルの書式を設定しておけば、入力した分数が勝手に日付に変換されることもなく、数式計算に使える数値として入力できるので便利です。

「セルの書式」の使い方やクセをコツコツ覚えよう

 今回のポイントは、「セルの書式」を自分で設定して分数を自在に表示させたことです。

 ユーザー定義のセルの書式を使いこなせるようになると、いろいろなデータを意図通りに表示させることができるようになります。

 「セルの書式」はExcelを使いこなすための第一歩として必須のことなので、本連載では今後もたくさん紹介していく予定です。楽しみにしていてください。