ニュース
OpenAI、「ChatGPT エージェント」を発表 ~課題を徹底的に調べて片づけてくれる相棒
「Operator」のWebタスク遂行力、「deep research」の調査力を融合
2025年7月18日 06:12
米OpenAIは7月17日(現地時間)、「ChatGPT エージェント」(ChatGPT agent)を発表した。「o3」と同系列の新しいエージェントモデルで、「ChatGPT」の会話スキル、「Operator」のタスク遂行能力、「deep research」の調査能力を融合・発展させたものだという。
「Operator」はユーザーに代わってAIがWebブラウザーを操作しながらタスクを遂行するが、詳細な分析やレポート作成には限界がある。一方で「deep research」は情報の分析や要約に秀でているが、Webサイトと対話しながら結果を絞り込んだり、ユーザー認証が必要な情報にアクセスできないという欠点がある。
そこで、互いの弱点を補完し、両者の強みを融合して「ChatGPT」へ組み込み、一体型のエージェントシステムとして構築したのが「ChatGPT エージェント」だ。
「ChatGPT エージェント」にはGUIを介してWebと対話するビジュアルブラウザーや、シンプルな推論ベースのクエリに適したテキストブラウザーに加え、Web APIへ直接アクセスするツールを備える。「ChatGPT エージェント」は与えられたタスクを分析・分割し、状況に応じてもっとも適切なツールを自律的に選び、組み合わせ、その結果を評価しながらタスクを遂行する。「コネクター」を追加すれば既存のWebサービスとの連携も可能。
また、「ChatGPT エージェント」は繰り返し行われる協働作業に適したワークフロー向けに設計されており、従来のモデルに比べて制御が容易だ。つまり、途中でタスクを中断して指示を出し直したり、タスクの方向性を修正したりして、期待する結果に近づけることができる。タスクを中断してもコンテキストを保ったまま再開が可能で、新しい情報を追加しても進行状況が失われることはない。
さらに「ChatGPT」側もタスクが目的に沿っているかをユーザーに確かめたり、必要に応じて追加情報を求めたりが可能。タスクに時間がかかりすぎたり行き詰まった場合は、一時停止したり、進捗サマリーを確認したり、作業を打ち切ってできたところまでの成果をまとめたりできる。「毎週月曜日の朝に週次メトリクスレポートを自動で生成する」といったタスクを定期的に繰り返すようスケジュールすることも可能だ。
「ChatGPT エージェント」は本日よりPro、Plus、Teamプランのユーザーを対象に段階的に提供が開始される。Proユーザーなら、ほぼ無制限にタスクの実行が可能だ。
EnterpriseおよびEducationへの提供は、7月にも開始される予定。Pro以外の有料プランで実行できるタスクは月あたり50件で、必要に応じてクレジットを追加できる。
なお、「Operator」のリサーチプレビューサイトは30日後に提供を終了するとのこと。「deep research」は「ChatGPT エージェント」の一部として提供が継続される。従来の「deep research」モデルも今まで通りアクセスできる。