#モリトーク

iPhone 5のテザリングに備える

(12/09/25)

 iPhone 5の発売でテザリングへの注目度が再び増しているこの数週間、iPhone 5そのものよりもテザリングのほうが話題を集めているほどだ。そこで今回は、テザリングに関心のなかった人、そしてiPhone 5のテザリングを利用したいと考えている人に向けて、いくつかのソフトを紹介したい。

 テザリングとは、スマートフォンなどの通信機器をルーター、主に無線LANルーターとして利用する機能であり、ノートパソコンや携帯ゲーム機などをスマートフォン経由でインターネットへ接続することができる。テザリングとはいったい何なのか、このように文章などで見聞きしている人は多いはずだが、百聞は一見に如かずということで、実際に体験してみたほうがわかりやすい。

 「Connectify」および「Virtual Router」は、Wi-Fi搭載のWindows 7パソコンを無線LANルーターへ変えてしまうソフトだ。つまり、両ソフトを利用すればパソコンにテザリング機能が追加されるため、テザリング対応のスマートフォンがなくてもそれを仮想体験することができる。スマートフォンを接続したときは、“逆テザリング”とでも言えるだろうか。両ソフトはもともとテザリングを意識したものではないが、テザリングの仕組みを理解するにはぴったりなソフトだろう。

「Connectify」「Connectify」

「Virtual Router」「Virtual Router」

 また、iPhone 5のテザリングを利用する場合、送受信量が7GBまたは7.5GBを超えたときに、速度制限が課せられることも話題になっている。この上限値は、iPhone 5単体での送受信量と、テザリングでの送受信量を足したものになる。iPhone 5単体の送受信量が7GBまたは7.5GBを超えることはそうそうないと言われているが、ノートパソコンのように作業効率が高いデバイスをテザリングで接続すると、7GBまたは7.5GBを超えてしまう可能性がある。とくに、iPhone 5のテザリングを自宅の固定回線としても利用したいと計画している場合は要注意だ。

 そのため、自分のスマートフォンとパソコンの送受信量が日頃どのくらいに達しているのか、iPhone 5とテザリングを導入する前に確認しておいたほうがよい。スマートフォンの送受信量は、キャリア各社へ問い合わせれば、パケット数という形で知ることができる。1パケットは128バイト、1ギガバイトが約840万パケットになるので、パケットからバイトへ換算しよう。

 そうなれば、問題となるのがパソコンの送受信量だが、これもネットワークモニターソフトを利用すれば簡単に計測できる。そのなかでもとくにオススメなソフトが「TCP Monitor Plus」で、起動するだけで送受信量を計測し、累計も表示してくれるため、パソコンの送受信量を把握するのに役立つ。また、「NetSpeedMonitor」も送受信量を日または月単位で集計してくれるのでオススメだ。au版iPhone 5ではすでにテザリングが開始されているが、ソフトバンク版は来年の1月15日からなので、それまでに上述のソフトを利用してテザリングへの理解を深めておくとよいだろう。

「TCP Monitor Plus」「TCP Monitor Plus」

(中井 浩晶)