#モリトーク

第113話

DirectWriteとフォントの固定化

 前回の第112話では、「Google Chrome」が“DirectWrite”に対応したこと、その恩恵は「メイリオ」で最大限に受けられることを取り上げた。それは、以前からDirectWriteに対応する「Internet Explorer」と「Firefox」にも言えることであり、同様の理由でWeb描画のフォントを「メイリオ」へ切り替えておきたい。

 ただし、「Google Chrome」「Internet Explorer」「Firefox」のフォント設定は三種三様なため、DirectWriteの恩恵度も異なっている。結論を先に言えば、「Google Chrome」がその恩恵をもっとも受けにくく、「Firefox」のフォント設定がもっとも柔軟だ。

「Internet Explorer」でフォントを固定化
「Firefox」のフォント設定画面

 Webページを描画する際のフォントは基本的に、そのWebページで指定されたものが優先される。そのため、各Webブラウザーのフォント設定で「メイリオ」を選択しても、Webページの文字が必ず「メイリオ」で表示されるわけではない。たとえば「Google Chrome」の場合、特定のフォントを指定していないWebページでのみ、ユーザーが設定したフォントで文字が描画される。

 一方、「Internet Explorer」と「Firefox」にはWeb描画のフォントを強制的に固定するオプションが用意されている。「Internet Explorer」でそれを有効化するには、“インターネット オプション”の[全般]タブで[ユーザー補助]ボタンを押し、チェックボックスの“Webページで指定されたフォント スタイルを使用しない”をONにすればよい。

 「Firefox」でも同様に、オプション画面の[コンテンツ]タブで“フォントと配色”の[詳細設定]ボタンをクリックし、チェックボックスの“Web ページが指定したフォントを優先する”をOFFにする。これらの設定によってDirectWriteと「メイリオ」の恩恵をさらに引き出せるが、Webページのデザインが崩れてしまうこともあるため、そこはトレードオフということになる。

(中井 浩晶)