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テレワークでもハンコが必要!? とりあえずは「Excel電子印鑑」で解決してしまおう

「Excel電子印鑑」

 リモートワーカーが急増している今日ですが、そんなビジネスパーソンのネックとなっているのがハンコの存在。勤め先でテレワークが始まっても、ハンコを押すためだけに出社せざるをえない人もいるようです。契約書等に使う実印・代表者印ならまだしも、提案書や稟議書といった社内文書で必要な認印を押すために、いちいち出社するのは避けたいものです。

 そこでおすすめしたいのが、Excelアドインの「Excel電子印鑑」。丸型・小判型の“認印”のほか、日付が入った“データー印”、法人の認印として一般的に使われている“角印”などを、Excelの図形機能で作成してシートに貼り付けることができます。

フォントは楷書体がおすすめ

 「Excel電子印鑑」をインストールしたら、最初にハンコの見栄えを設定します。シートを右クリックして、[Excel電子印鑑]→[印鑑設定]の順にクリックすると、名前やフォント、色、サイズを設定するダイアログボックスが表示されます。認印なら自分の名前、角印なら企業名などを入力しましょう。

 ハンコらしさを再現するなら、フォントにこだわりたいところ。初期設定では「MS ゴシック」が設定されていますが、いかにも図形機能で作ったようなデザインになり、いまいちです。おすすめは、「Microsoft Office」に付属している「HG正楷書体-PRO」。ハンコでよく使われる古印体や隷書体はWindowsにはないので代替案となりますが、これも悪くないデザインです。

 また、[背景を透明にする]、[画像化・サイズ調整して押印する]のチェックボックスもオンにしておきましょう。背景を透明にすることで、印影の隙間から文字が透け、いかにも本物のハンコを押したような見栄えに。また、画像化することで文字が自然なサイズに調整され、同時に他者からの編集も防ぐことができます。

各タブで氏名や企業名を入力する。ハンコらしさを求めるなら、フォントにもこだわりたい

 もっとリアルな印影が好ましいのであれば、[ユーザー印]タブで画像を指定することも可能です。ここに、スキャナーなどでスキャンした認印や角印の画像を登録すると、2クリックでリアルなハンコが押せるようになります。

 押印するには、セルを右クリックして、[Excel電子印鑑]メニューから印鑑の種類を選択します。貼り付けた印鑑はドラッグで位置を微調整することも可能です。頻繁に印鑑を押す場合は、[印鑑設定]のダイアログボックスで、[その他]タブの[リボンにタブを表示し、ボタン操作を可能にする]にチェックを付けておくと便利。リボンからボタンをクリックするだけで、印鑑を押せるようになります。

[その他]タブで[リボンにタブを表示し、ボタン操作可能にする]にチェックを付ける
リボンの[印鑑]タブから印鑑を押せるようになる。

認印代わりに使うところからIT化を始めよう

 このアプリで作る印影は、あくまで“印鑑のようなもの”でしかなく、設定が同じなら誰でもまったく同じ印影を使えます。個人の確認・証明といった印鑑本来の役割を担うことはできません。もっとも、そこはシヤチハタや100円ショップで購入した印鑑もそこは同じですから、“認印の代わり”として使うぶんには十分検討の余地はあるはず。

 本来であれば、テレワークにあわせて電子署名・電子サインなど印鑑自体が必要ない承認フローを作るのが望ましいところです。最近では、電子印鑑でも問題ないという企業も増えていますし、政府も「eシール」でハンコ文化を再考しているとのこと。とはいえ、それに今すぐ取り組む余裕のある企業は決して多くないはず。いったん新型コロナウイルスが終息するまでの代替手段として本アプリを活用し、その後、あらためて承認フローを見直すのが現実的ではないでしょうか。

 ちなみに弊社(浦辺制作所)では、角印の印影画像を貼り付けた見積書・請求書を国内外の取引先に送付していますが、それが問題になったことは一度もありません(さすがに契約書の類いには実印を押しています)。民・民の良さでしょうか、意外と柔軟に受け入れていただいています。