絶対便利! 新定番の無料ツール

写真のレタッチ沼へと誘うビギナー向け画像編集アプリ「Photoshop Express」

「Photoshop Express」

 最近のデジタルカメラやスマートフォンのカメラ性能は高く、写真で失敗する確率はずいぶん減ったように思います。しかし、InstagramやTwitterできれいな写真を見る機会が増え、目も肥えてしまったのでしょう。“それなり”の仕上がりでは満足できず、ついついレタッチをしたくなってしまう方も多いのではないでしょうか?

 本格的に写真をレタッチするなら、「Photoshop Lightroom」や「SILKYPIX Developer Studio」といったRAW現像アプリが欠かせませんが、これらのアプリはハイアマチュア~プロフェッショナル向け。有料ですし、使いこなすにはそれなりの習熟度も求められます。

 無料で、もっと気軽に写真をレタッチしたい……という人におすすめなのが、「Photoshop Express」です。

FacebookやTwitterにぴったりのサイズにトリミング

 「Photoshop Express」には、大きく分けると以下の6つの機能が用意されています。

  • 効果:フィルターを適用して画像の雰囲気を変える
  • 切り抜き :画像の反転や角度補正、トリミングを行う
  • 補正 :明るさや色味を調整して画像を仕上げる
  • スポット修復 :写真に写り込んだゴミ(ホコリ)や、肌のシミを消す
  • 赤目を修正 :フラッシュ撮影時にで赤く写ってしまった目を直す
  • 境界線 :写真の外縁に角丸やフレームなどの効果を付ける

 作品づくりで、最初に取りかかりたいのは切り抜き。[切り抜き]をクリックして、不要な部分を取り除くように白枠のサイズを調整します。[縦横比]のメニューでは、Facebookのプロフィールやカバー、Instagram、Twitter投稿用など、各種SNSに最適なアスペクト比を選ぶこともできます。

 建物や水平線・地平線が写っている写真は、ちょっとした傾きも気になるところ。[角度補正]のスライダーをドラッグして、水平・垂直がきちんと取れるように調整しておきましょう。

[切り抜き]メニューでは不要な部分を取り除くトリミングができるほか、画像の反転は角度の補正も可能

[効果]でレタッチの方向性を決めて[補正]で仕上げる

 [効果]メニューでは、季節の名前を冠したテーマや、白黒、ポートレート、など、さまざまなフィルターが用意されています。写真の雰囲気がガラッと変わるので、いろいろ試してイメージにあったフィルターを選びましょう。
 フィルターの効果をどれくらいかけるかは、写真の下部に表示されるスライダーで調整できます。全体的にフィルター効果はかなり強めにかかるので、スライダーでマイナス方向への調整をおすすめします。

桜の写真をもう少しふんわりとした印象にするため、[効果]で[春]のフィルターを選択。スライダーで少しフィルターのかかり具合を弱めてバランスを調整している

 [効果]でおおまかなレタッチの方針を決めたら、[補正]メニューで明るさや色味、コントラストなどを微調整します。特に重要なのが、写真の全体的な明るさを決める[露出量]と、色を赤っぽくするか青っぽくするかを設定する[色温度]。この2つを中心に各項目を調整して、イメージどおりの写真に仕上げましょう。

[補正]メニューで最終調整。[露出量]をプラスして明るさを底上げしつつ、[コントラスト]をマイナスにしてふんわりとした雰囲気に仕上げてみた
[元の画像を表示中]ボタンをクリックすると、レタッチ前の写真を確認できる。もう一度クリックすると、レタッチ後の写真に戻る

まとめ

 「Photoshop Express」では、似たような写真をまとめてレタッチすることはできませんし、写真を部分的に補正する段階フィルターのような機能もありません。ですが、補正機能は上記で紹介したほか、明瞭度やシャープネス、輝度・色ノイズの低減、明暗別色補正など必要十分な機能を備えています。また、デジタルカメラで撮影したRAWデータの編集・現像にも対応します。

 写真のレタッチをはじめたい方は、まずは「Photoshop Express」でチャレンジしてはいかがでしょう。プロフェッショナル向けの「Photoshop Lightroom」や「SILKYPIX Developer Studio」に挑戦するのは、このアプリに物足りなくなってからでも遅くなりません。