残業を減らす!Officeテクニック

Excelでデータを補足するメモを自動的に入力するテク ~Copilotがなくても自動化可能

表内のデータを参照して、自動的にメモを作成できる

 Excelでまとめたデータの横に、注目してほしい値について、ひと言メモを入力することがありますよね。例えば以下の表では、売上の増減についてのメモ欄を用意しています。

メモとして「前期と比べて6.5%増加し、508万円となりました」と入力してある

 B列の今期売上とE列の増減率を抜き出したメモですが、すべての行に手入力するのは少し面倒ですね。では、文字列を連結しようとして「&」を利用すると……、

「&」を利用して、セルB2とE2の値、文字列を連結したが、意図通りにならない!

 「前期と比べて0.0649222899862286増加し、5083000円となりました」と表示されてしまいました。パーセント表示とならず、“増加”するかどうかはデータによります。また、金額も大きく読み取りにくい状態です。

 今回は、数値を挟んで文字列を連結するときのコツを紹介します。増減値は計算してあるので、増加と減少も自動的に処理できます。

プラスとマイナスでパーセント表示を分ける

 最初にパーセント表示を処理しておきましょう。TEXT関数を使います。「○.○%」のように表示したいので、書式記号には「0.0%」を指定します。ここでは「増加し~」以降の文言は固定しておきます。「&」で連結した数式の一部を変更して以下のようにしました。

="前期と比べて" & TEXT(E2,"0.0%") & "増加し、" & B2 & "円となりました"
「="前期と比べて" & TEXT(E2,"0.0%") & "増加し、" & B2 & "円となりました"」と入力した状態。パーセント表示は正しく表示されている様子

 パーセント表示で「6.5%」とセルE2の値が取得できているので、コピーしてみます。

セルF2の数式を下方向へコピーした。後ほど「増加し」の文言は「減少し」と自動的に切り替えるが、その場合、セルF3の「-11.5%」は「11.5%」としておきたい

 ここでは「増加し」と固定していますが、後ほど増減を自動的に判定したいと考えています。その場合は「-11.5%減少し」ではなく、「11.5%減少し」と表示したいところです。この問題は、書式記号の指定方法によって回避できます。

 「;」で区切ることにより、マイナスの場合の書式を指定します。今回はプラスでもマイナスでも同じように表示したいので「"0.0%;0.0%"」となります。

「;0.0%」を追記して、「="前期と比べて" & TEXT(E2,"0.0%;0.0%") & "増加し、" & B2 & "円となりました"」と修正する
下方向へコピーした状態。マイナスの場合も「-」が表示されなくなった

数値の増減を判定する

 IF関数を使えば、数値の増減を簡単に判定できます。ここでは、増減額がプラスの値であるかどうかを判定して、以下のように入力します。上記の「"増加し、"」の部分をIF関数の数式で書き換えています。

="前期と比べて" & TEXT(E2,"0.0%;0.0%") & IF(D2>0,"増加し、","減少し、") & B2 & "円となりました"
「"増加し、"」を「IF(D2>0,"増加し、","減少し、")」と書き換えて、プラスの値かどうかを判定している。マイナスの場合は「減少し」と表示された

「万円」の表示にする

 最後に金額を「万円」の表示に整えてみましょう。ROUND関数を使います。10000で割り、小数点以下を四捨五入すると考えます。ROUND関数の数式は「ROUND(B2/10000,0)」となり、組み合わせると以下のようになります。万単位にするので、数値に続く文言も調整しています。

="前期と比べて" & TEXT(E2,"0.0%;0.0%") & IF(E2>0,"増加し、","減少し、") & ROUND(B2/10000,0) & "万円となりました"
「B2 & "円となりました"」を「ROUND(B2/10000,0) & "万円となりました"」と書き換えた。売上金額を10000で割って、小数点以下を四捨五入している

長い数式を入力するコツ

 文字列や数式を連結すると、全体が長くなります。数式バーを縦に広げ、「&」の前後などで改行して入力すると、読みやすくなるのでおすすめです。

数式バーの下部をドラッグすると、複数行表示にできる
「&」の前後にカーソルを移動して、[Alt]+[Enter]キーを押して改行すると読みやすくなる