週末ゲーム
第550回
オートバトルRPGと箱庭ゲームが不思議に融合「とつげき!ダンジョン」
放置系なのに放置できない?スピード勝負のダンジョン攻略ゲーム
2014年2月14日 10:28
2つのゲームを融合させたダンジョン攻略ゲーム
「とつげき!ダンジョン」は、謎の島に放り出された3人と人型ロボットが力を合わせて、島にあるダンジョンを攻略するというゲーム。作者曰く『放置ゲーム+箱庭ゲーム』という説明なのだが、最初にプレイする時には何をすればいいのかピンと来ないので、まずはそこから説明したい。
ゲーム画面は上下に2分割されており、上画面でオートバトルRPG、下画面で箱庭ゲームが展開される。
上画面には3人の女性キャラクターがおり、現れたモンスター(のようなもの)を倒しながらダンジョンの奥へと進んでいく。バトルに対しては一切指示ができず、途中で倒されると勝手に復活し、また奥へと進んでいく。数十の階層に分かれたダンジョンを1階ずつ突破していく、ステージクリア型のシステムだ。
下画面には島のマップがある。ここではロボットを操作し、資源を集めて施設を作り、ダンジョンを進む3人をサポートする。
ゲームの目的は、上画面の3人がダンジョンを最後まで攻略すること。しかしバトルへの指示はできないので、ロボットが3人の装備を強化し、それによってより強い敵と戦えるようにする……というのがゲームの基本的な流れだ。
全滅しても何度でもダンジョンへ向かう放置系オートバトル
より詳しくゲーム内容を見ていきたい。まず最初、上画面の3人はシンプルな刀だけしか装備しておらず、ダンジョンを少し進むと全滅してしまう。ただし彼女らは何度でも復活するので、倒されてしまうこと自体は問題ない。ただそのままではいつまでも先に進めないので、彼女らを強化する必要がある。
強化の要素は2つある。1つは彼女ら自身のレベルアップ。敵とのバトルで経験値を得てレベルアップすると、HPや攻撃力、防御力などに割り振れるボーナスポイントが得られる。いったんステータスに割り振ったボーナスポイントも後で自由に増減できるので、どんどん使って構わない。
もう1つは装備の強化。彼女らはレベルアップすることで新たな武器や防具を入手できる。これらの装備品にはステータスをアップさせるものの他に、サブ武器として攻撃の手数を増やせるものや、ポーションを使ってHPを回復させるものなどがあり、戦術にも影響する。装備変更はいつでも可能なので、状況に合わせて付け替えていくことになる。
そうして新たな装備品を身に付けていけば攻略は進められるのだが、それでもある程度で行き詰まってしまう。上画面だけ見れば放置系のゲームなのだが、それだけではいつまで経ってもクリアできない。ここからが下画面の役目になる。
装備品を強化してダンジョン探索をサポートする箱庭ゲーム
下画面では3人の探索をサポートするために、人型ロボットを操作する箱庭ゲームを進める。まずは資源集めからスタート。ロボットを方向キーで動かし、森の上に立たせれば木材を、山の上なら鉄を……という具合に各種資源を入手可能。
次に手に入れた資源を使って、各種設備を建設する。最初に必要なのは発電所。風力、水力などいくつかの種類があるので建設すると、画面左に表示される電力ゲージが上がる。電力はその他の施設を建設すると消費される。
電力を用意できたら、順次他の施設を建設する。各種資源を自動で生産する施設が色々あるので、これらを建てて資源量を潤沢にしていく。施設は下地になる地形によって建てられるものが変わるので要注意。また各施設はさらに資源を投入することでレベルアップさせることができ、生産量を上げられる。ただし電力消費も増加するため、発電所の増設・強化も必要だ。
さらに開発施設を建設すると、各種の設備やロボット自身の資源生産量を増大させる施設開発が可能。これにも資源が必要だが、生産量が大幅に向上するので、設備の強化と合わせて相乗効果が狙える。
長くなったが、ここまでは資源を増やすための下準備。本番は工場での武器開発だ。開発と言っても新たな武器や防具の製造ではなく、上画面で手に入れた装備品を強化する形となる。
装備品の強化にも、やはり各種資源を消費する。集めた資源の最終的な用途は、この装備品の強化にあるわけだ。強化するとその武器・防具のレベルがアップし、能力が向上する。これで上画面の攻略が進められるという仕組みだ。
強化した装備品を使うことでダンジョンの奥へと進み、より強い敵を倒してレベルアップし、新たな装備品を手に入れ、それをまた強化する。下画面ではそれに対応するため、どんどん資源開発量を増やしていく。
放置してもいいけれど……思わず熱中する箱庭ゲーム
本作はゲーム画面を非アクティブにして他のウインドウを操作している時でも、ゲームは進行し続ける。何かの作業をしながら裏で動かして(放置して)も、資源は増やせるし、上画面の3人は延々戦い続けるだけで損することはない。
ただし1点だけ、クリア時の評価が下がるという問題がある。ダンジョンの最奥に到達できればゲームクリアとなるわけだが、それまでにかかった時間や、3人が全滅した回数、施設のレベルアップ度合いが数値化される(プレイ中にもこのデータはメニューの『達成』で確認可能)。中でも全滅回数はクリア評価として扱われ、筆者の初プレイでは『D(ゆったりプレイです)』と判定された。
ちなみに3人の全滅後の処理は、標準では“1つ前の階から再開”なのだが、“同じ階から再開”、“最初から再開”を随時選択できる。最初は資源集めに専念したいので、装備が整うまでは全滅回数を減らすべく“最初から”を選択。ある程度進んで資源が潤沢になったら、一気に攻略する……といった作戦を取ることで、クリア時の評価を上げることもできる。単なるプレイングの上達だけでなく、こういった部分を活用するのも高評価を得るには重要なポイントだ。
全般的に非常に緩いゲームシステムは、確かに放置ゲーらしい作りになっている。しかしクリア時の評価を上げようとすると、効率よく資源を集めて施設を作り、3人の装備をすばやく整える操作を、無駄なくこなす必要がある。やるべきことは非常に多くて忙しくなり、放置ゲーのつもりが結局熱中してしまう。それこそが本作の魅力なのだ。
ソフトウェア情報
- 「とつげき!ダンジョン」
- 【著作権者】
- なじこれ
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.10(14/01/19)