週末ゲーム

テンポよく遊べるRPG「ニルダ戦記」

さくさくレベルアップして強くなる気持ちよさはバツグン!

(12/11/09)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、テンポのいい戦闘とレベルアップがプレイヤーを虜にするRPG「ニルダ戦記」を紹介しよう。

光の力を託されて旅に出る少女“ジェリア”

光の力を託された少女“ジェリア”が“力の魔導器”を求めて旅をするRPG光の力を託された少女“ジェリア”が“力の魔導器”を求めて旅をするRPG

徘徊する魔物に触れるとそのまま戦闘へと移行する独特なシステムを採用徘徊する魔物に触れるとそのまま戦闘へと移行する独特なシステムを採用

 「ニルダ戦記」は、光の力で闇の脅威から世界を守る“グリーンベル”の一員である主人公“ジェリア”となって、旅へと出る2D見下ろし画面のフィールド探索型RPG。フィールド上の魔物に接触するだけで戦闘がスタートし、両手に装備した武器や魔導を駆使して戦っていく。コマンド選択式のRPGのように画面が切り替わることなく、接触するだけで戦闘が開始、離れれば終了という方式となっており、ゴリ押しで倒すもよし、ヒットアンドアウェイで慎重に戦うもよしと、アクション性の高いスピーディーな戦いが楽しめる。

 まずはストーリーに触れていこう。舞台となるのは、誕生し、そして死を迎える事を受け入れ、生命の秩序を司る“光の力”と、死を拒絶し、生命や記憶を留まらせる“闇の力”が存在する世界。グリーンベルは、闇の力が迫りしとき、光の力でそれを消し去るために結成された集団で、主人公のジュリアは“ベルティア司教”によって素質を見いだされ、光の力を託される。しかしそのとき、ジュリアの兄である“アーディン”が、闇に立ち向かうために力を蓄えた聖なる器“力の魔導器”を持ち去ってしまう。ジュリアは“力の魔導器”を取り返すために外の世界へと旅立つ。

強制的に移動させられる床などパズル的な要素も強制的に移動させられる床などパズル的な要素も

フィールド上に隠されている宝箱を見つけるのも楽しいフィールド上に隠されている宝箱を見つけるのも楽しい

触れるだけで戦闘スタート!スピーディーな戦いが楽しめる

2つまでの武器または魔導を装備できる。どう戦うのか悩むのも楽しみのひとつ2つまでの武器または魔導を装備できる。どう戦うのか悩むのも楽しみのひとつ

 本ゲームでもっとも特徴的と言えるのが戦闘だ。片手に1つずつ、計2つの武器または魔導を装備し、戦闘開始後は[Z]キーや[X]キーを押すことで左右それぞれの武器で攻撃する仕組み。それとは別に移動中に使える補助的な魔導もある。武器は、剣や斧といった“斬”系、棒や杖など“殴”系があり、魔導については“火”“水”“雷”の3種類がある。斬系の武器を2つ装備、または火系の魔導を2つ装備など攻撃方法をどれかに特化させてもいいし、殴系の武器と魔導を装備など、魔法剣士のようなキャラに仕上げるのもアリだ。魔物は斬、殴、火、水、雷とある属性のどれか、または複数の弱点をもっているため、相手によって装備する武器や魔導を変えるなど、臨機応変な対応で臨むのもよいだろう。ちなみに、弱点は魔物を攻撃すると画面の上部に表示されるのですぐにわかる。

 さらに、[Z]キーと[X]キーの同時押しにより、強力な技を発動させることが可能。装備する武器や魔導の属性によって、覚えられる技が変わるのが面白いところ。たとえば、斬と殴の組み合わせで戦い続けると2連撃となる“斬り倒し”を覚えるといった具合だ。斬と斬、斬と火、水と雷、など組み合わせによってさまざまな技を覚える。加えて、特定の武器と属性の組み合わせでしか覚えない技もあるなど、技だけでも奥深い。そのほか移動中に使える魔導は、体力を回復させたりステータスを一時的にアップさせるものが中心となっている。

ステータスの割り振りを考えるのも面白い

EPを使ってステータスを自由にアップしていけるのも面白いEPを使ってステータスを自由にアップしていけるのも面白い

 装備する武器や魔導と合わせて重要となるのが、ステータスの上昇だ。本ゲームでは、レベルアップすると“EP”というポイントが取得でき、それを各ステータスへと自由に割り振ることで主人公であるジュリアの能力がアップしていく。ステータスは、体力を示す“HP”、魔導や技を繰り出すのに必要な“MP”、物理攻撃力の“STR”、物理防御力の“DEF”、魔導攻撃力の“INT”、魔導防御力の“MND”、攻撃に必要となる“AP”の回復速度などに関わる“SPD”、宝箱の出現率や連続攻撃となるチェーンの発生率に関係する“LCK”と多岐にわたる。それだけに、まんべんなくアップさせると中途半端なキャラに育ってしまい、逆に戦闘が厳しくなってしまうのだ。

 斬や殴属性の武器を中心に戦うならINTの上昇は捨ててSTRに集中させるなど、どういうキャラに育てたいのか方向性を決めて割り振ることが大切と言える。そして、地味に重要となるのが運のよさを決めるLCKの数値だ。本ゲームでは、武器やアイテムのほとんどを魔物を倒すとランダムで出現する宝箱から入手するだけに、その宝箱の出現率に関わるLCKはある程度高めておいたほうが旅はラクになる。

 複数の属性に多くのステータスと、ややこしそうに思えるが、実際にプレイすると驚くほどテンポがいい。それはレベルがすぐに上がるためだ。1分も戦えば余裕で1レベル上昇する。そしてバンバンとステータスをアップさせていけば、すぐに弱点を考えなくてもゴリ押しで魔物を倒せるにようになる。新しい土地や洞窟、遺跡などに到達した場合、最初は魔物が強く、弱点を意識して戦わないと倒すのは厳しいが、それもちょっとレベルを上げればガンガン倒せるようになる。これが非常に気持ちいい。苦戦から余裕の勝利への変化がスピーディーなのが、テンポよく進んでいける大きな要因だろう。

 さらに、マップのいたるところに体力の回復とセーブを行えるポイントがあるため、体力がゼロになった場合のゲームオーバーがそれほど怖くないのも、気持ちよくプレイできるポイントになっている。

 とはいえ、ゴリ押し一辺倒では勝てないのもうまいところ。武器でも魔導でも、攻撃するたびに画面左下へ表示されるAPが減っていき、ゼロになると魔物に与えられるダメージは4分の1にまで下がってしまう。ゴリ押しで魔物に攻撃すればいいやと、あまりに適当にプレイするとAPがゼロになってダメージを全然与えられず、気づいたらピンチになることも。APは魔物から離れていればすぐに回復するので、ちょっと注意してゲージを見ていれば大丈夫だ。テンポよくプレイできる一方で、APの存在で一定の緊張感を保てているのがいい具合なのである。

 細かなテクニックがあるのも楽しい。たとえば、魔物に接触する寸前、話しかけるように魔物の前で[Z]キーによる攻撃を行えば、無条件で2回攻撃できる“先制攻撃”となる。先制攻撃して魔物から離れ、また先制攻撃を繰り返せばダメージを受けずに倒すことも不可能ではない。とくに攻撃力の高いボスとの戦闘では有効なテクニックだ。

兄はなぜ“力の魔導器”を盗んだのか。ストーリーも大きな見どころ兄はなぜ“力の魔導器”を盗んだのか。ストーリーも大きな見どころ

 レベルをとにかくアップさせて強いキャラを作る、魔導に特化させる、テクニックを駆使して低レベル&最速クリアに挑戦、アイテムのコンプリートを目指すなど、さまざまな楽しみ方ができるのが大きな魅力。なぜ兄が“力の魔導器”を盗んだのかなど、ストーリー展開も見どころとなっている。テンポよく進めるRPGを求めているなら、ぜひともプレイしてほしい1本だ。

【著作権者】
たぬき 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows XP/7 x64で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.11(12/03/10)

(芹澤 正芳)