特別企画
検知率と軽快さを高いレベルで両立させた「Avira AntiVir Premium」
無償の“Personal”エディションでは得られない世界最高クラスのウイルス対策を
本日v10が公開された“Avira AntiVir”シリーズは、無償の“Personal”エディションのほか、2つの有償版がラインナップされている。本企画では、「Avira AntiVir Premium」を中心に、“Avira AntiVir”シリーズの上位エディションの魅力をご紹介する。
Avira社とは?
“Avira AntiVir”シリーズを開発するAvira GmbHは、創設20年以上を誇るドイツの老舗セキュリティベンダーだ。とくにUNIX向けやモバイル向けのセキュリティ技術に定評があり、同社製スキャンエンジン“Savapi”はさまざまな製品へOEM提供されている。
ながらく日本語版を提供しておらず日本での知名度はいま一つであったが、昨年になって日本法人を設立するとともに、初の日本語版が公開された。現在は、日本語のサポートフォーラムも用意されている。
高いウイルス検知率と軽快な動作を両立した“Avira AntiVir”シリーズ
“Avira AntiVir”シリーズの特筆すべき点は、なんといっても高いウイルス検知率と軽快な動作だろう。他製品に比べて機能が少なく、ユーザーインターフェイスも簡素だが、“ウイルス対策”という点においては全く遜色がない。
たとえば、第三者機関“AV-Comparatives.org”が今年8月に実施した20種類のウイルス対策ソフトを比較したテスト“On-Demand Comparative - August 2010”において、検知率98%以上・誤検知数15個以下の製品にのみ与えられる“ADVANCED+”(今回は20製品中9製品のみが獲得)を獲得している。
以下に、“On-Demand Comparative - August 2010”の結果を一部抜粋して紹介する。
検知率
順位 | 製品 | 検知率(%) |
---|---|---|
1 | G DATA AntiVirus 2011 | 99.9 |
2 | AVIRA AntiVir Premium 10.0、Trustport AntiVirus 2010 | 99.8 |
3 | McAfee AntiVirus Plus 2010 | 99.4 |
4 | avast! Free Antivirus 5.0、BitDefender Antivirus Pro 2011 | 99.3 |
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14(最下位) | Kingsoft AntiVirus Pro 2010.07.27.193 | 80.1 |
誤検知数(少ない順)
順位 | 製品 | 誤検知数 |
---|---|---|
1 | F-Secure Anti-Virus 2011 | 2(ごくわずか) |
2 | Microsoft Security Essentials 1.0.1963.0 | 3(ごくわずか) |
3 | BitDefender Antivirus Pro 2011 | 4(ごくわずか) |
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7 | avast! Free Antivirus 5.0、Symantec Norton Anti-Virus 18.1.0.30 | 9(わずか) |
8 | AVIRA AntiVir Premium 10.0 | 10(わずか) |
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10 | G DATA AntiVirus 2011 | 15(わずか) |
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17(最下位) | Norman Antivirus & Anti-Spyware 8.00、Panda Anti Virus Pro 10.00.00 | 98(多い) |
動作速度
順位 | 製品 | 動作速度(MB/秒) |
---|---|---|
1 | avast! Free Antivirus 5.0 | 17.2 |
2 | AVIRA AntiVir Premium 10.0 | 15.1 |
3 | Panda Anti Virus Pro 10.00.00 | 14.6 |
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13 | G DATA AntiVirus 2011 | 10.3 |
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20(最下位) | Norman Antivirus & Anti-Spyware 8.00 | 4.4 |
“Avira AntiVir”は、検知率と動作速度の2部門で2位を獲得。誤検知数で順位を下げたものの、20製品中8番目の成績で“few FP's(誤検知数わずか)”へランクされており、決して悪い成績ではない。
ほかの製品と比べても、2つのウイルス検知エンジンを搭載した「G Data アンチウイルス」に対してはわずかに検知率で後れを取ったものの、動作速度と誤検知数の少なさでは大きく上回っている。また、動作速度と誤検知の少なさで拮抗している「アバスト! 無料アンチウイルス」と比較しても、検知率では0.5ポイントも上回る99.8%を記録している。
このように、ウイルス検知率の高さと誤検知の少なさ、動作の軽快さを高いレベルで両立させるのは非常に困難だが、“Avira AntiVir”はそれを実現しており、優秀であることがわかるだろう。
“Avira AntiVir”シリーズのラインナップ
しかし、ひとつ注意してほしいのは本テストで用いられているのが有償の“Premium”エディションであるということだ。“Personal”でも実用上十分なウイルス対策は可能だが、クラウドベースの技術で未知のウイルスに対抗できる“ProActiv”システムが省かれているなど、第三者テストで実証された高い能力をフルに発揮できるものでは決してない。
また、“Personal”は個人の非商用利用に限られており、会社で導入したりSOHOで利用するといった場合には利用することができない。以下に、各エディションの概要を挙げるので参照してほしい。
- 「Avira AntiVir Personal」(個人の非商用のみ無償)
基本的なウイルス対策機能のみを備えた無償ソフト - 「Avira AntiVir Premium」(有償、PC1台1年間ライセンスで3,500円(税込み))
クラウドベースの強力な振る舞い検知機能“ProActiv”や、Web・メール経由のマルウェアからの保護機能を備えた有償の普及版 - 「Avira Premium Security Suite」(有償、PC1台1年間ライセンスで5,000円(税込み))
「Avira AntiVir Premium」のアンチウイルス機能に加え、バックアップ機能やファイヤーウォール機能、ペアレンタルコントロール機能を搭載した最上位版
つまり、より高いセキュリティ性能を望む個人ユーザーや、会社に導入するための軽快で高い検知能力をもつウイルス対策ソフトを求めている場合は、“Premium”以上のエディションを選択するべきだろう。
“Premium”エディションが備える機能
クラウドベースの振る舞い検知を行える“ProActiv”システム
“AntiVir ProActiv”機能は、システムの動作をリアルタイムで監視し、プログラムが不審な動作をしていないかチェックできる。これにより、パターンファイルには合致しない未知のマルウェアを早期に発見・駆除できるというわけだ。
さらに、本機能は“Avira AntiVir”を利用するユーザーで形成する“Avira AntiVir ProActiv コミュニティ”でマルウェア情報を集積・分析するクラウドベースの技術も利用されている。コミュニティへ送信されたサンプルの分析結果は、即座にそれぞれのユーザーの“ProActiv”モジュールにも反映される仕組みで、未知のウイルスにもいち早く対応できる。
“Avira AntiVir ProActiv コミュニティ”へ参加するかどうかは、インストール時に選択できるほか、設定画面からON/OFFすることも可能。なお、“AntiVir ProActiv”機能は、執筆時現在、64bit版Windowsに対応していないので注意しよう。
Web経由の脅威に対抗する“WebGuard”“MailGuard”
さらに“Premium”エディションは、“Personal”エディションでは搭載していないWeb経由の脅威に対する対抗手段も備えている。
たとえば、HTTPプロトコルを利用して転送されるデータを監視する“WebGuard”機能は、Webサイト経由のウイルス感染を防いでくれる。ユーザーに気付かれないように悪意あるソフトなどをダウンロードさせる“ドライブバイダウンロード”攻撃などへの対策も万全だ。
また、メールを経由して感染するマルウェアに関しては“MailGuard”機能が頼りになる。本機能は、POP3/IMAPプロトコルで受信されるメールを監視してマルウェアを防止するほか、SMTP経由で送信されるメールをスキャンして“MailGuard”によってスキャン済みであることを示すフッターを付与することも可能。
万が一ウイルスに感染してしまった場合に心強い“RescueSystem”
さらに、万が一ウイルスに感染しまった場合のために、復旧用のブータブルCDを作成する機能も備えている。
ブータブルCDを作成するには、[その他]-[レスキュー CD のダウンロード]メニューを選択しよう。CDには、最新のウイルス定義ファイルとスキャンエンジンが含まれており、データの復旧にも対応している。
最上位版「Avira Premium Security Suite」
さらに、ウイルス対策機能に加えて以下の機能を追加した統合セキュリティ環境「Avira Premium Security Suite」も用意されている。
- バックアップ機能
- ファイヤーウォール機能
- アンチスパム機能
- ペアレンタルコントロール機能
とくにファイヤーウォール機能は、ネットワークアダプターやプロトコル単位で詳細にフィルター条件を設定可能で、外部からのポートスキャンや、大量のデータを送りつけてシステムを停止させたり不正侵入を図るフラッディング攻撃をシャットアウトできる。また、アプリケーション単位だけではなく、アプリケーションのベンダー単位で通信を許可できるオプションも用意されている。Windows標準のファイヤーウォール機能では物足りなさや不安を感じるユーザーにとっては心強いだろう。
さらに、タスクトレイアイコンの右クリックメニューから、通知を一時的にオフにする“ゲームモード”や、すべての通信をシャットアウトするモードへ簡単に切り替えられるのも便利。
そのほか、ウイルススキャン機能と連携可能なバックアップ機能や、有害なコンテンツへのアクセス、インターネットの利用時間などをユーザーごとに制御できるペアレンタルコントロール機能も備えており、これ1つでトータルなセキュリティ対策を行うことが可能になっている。