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「Windows 10 Creators Update」では管理者権限なしでシンボリックリンクを作成可能に

あくまでも開発者向けで、“開発者モード”を有効にする必要がある

公式ブログ“Building Apps for Windows”

 米Microsoft Corporationは2日(現地時間)、Windows 10の次期バージョン「Windows 10 Creators Update」では管理者権限なしでシンボリックリンクを作成できるようになることを明らかにした。公式ブログ“Building Apps for Windows”によると、この機能は「Windows 10 Insider Preview」Build 14972から利用が可能。Build 14971でも利用できることを編集部で確認している。

 シンボリックリンクとは、フォルダーやファイルの実体を参照する“仮想的”なフォルダーやファイルのこと。たとえば、Windows XP時代に使われていた“C:Documents and Settings”フォルダーは、現在のWindowsには用意されていない。しかし、その存在を前提とした古いソフトのために、互換性を維持する目的で“C:Users”を指し示すシンボリックリンク(ジャンクション)が置かれている。これにより、現在のWindowsでも“C:Documents and Settings”へのアクセスで“C:Users”を参照することができる。

 この手法はLinuxの世界では一般的なものだが、Windowsではセキュリティ上の問題からシンボリックの作成に管理者権限が必要とされていたため、あまり利用されてこなかった。しかし、最近のWindowsでは“Bash on Ubuntu on Windows”がサポートされたほか、「Git」や「npm」などのツールを利用したクロスプラットフォーム開発が身近になってきている。そのため、シンボリックリンクの使い勝手をLinuxに合わせることがWindows開発者にとって有益と判断されたようだ。

“開発者モード”を有効化すると、管理者権限のない「コマンド プロンプト」からでも“mklink”コマンドを利用してシンボリックリンクが作成できるようになる。

 なお、この機能はあくまでも開発者向けのものとされており、利用するには「設定」アプリから“開発者モード”を有効にする必要がある。“開発者モード”を有効化すると、管理者権限のない「コマンド プロンプト」からでも“mklink”コマンドを利用してシンボリックリンクが作成できるようになる。また、“CreateSymbolicLink”APIでも新設のフラグ“SYMBOLIC_LINK_FLAG_ALLOW_UNPRIVILEGED_CREATE”を用いることで、管理者権限なしでシンボリックリンクを作成できるという。

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