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「Firefox」の“WebExtensions”への移行ロードマップが公開 ~レガシーアドオンは廃止

「Firefox 53」から段階的に実施され、11月リリースの「Firefox 57」で完了

公式ブログ“Mozilla Add-ons Blog”

 Mozillaは16日、公式ブログ“Mozilla Add-ons Blog”で、「Firefox」における“レガシーアドオン”のサポートに関するロードマップを明らかにした。Mozillaは「Firefox」のパフォーマンスと安定性の向上を目的にマルチプロセス技術“e10s”の導入を進めており、その障害となるレガシーアドオンを段階的に廃止する方針を明らかにしていた。

 なお、ここでいう“レガシーアドオン(従来型アドオン)”とは、“WebExtensions”ベースではないすべてのアドオンと“完全テーマ”を指す。言語パック、辞書、“OpenSearch”プロバイダー、軽量テーマ、「Thunderbird」および「SeaMonkey」のみをサポートするアドオンは含まれない。

「Firefox 53」(4月18日公開)

 「Firefox 53」では、すべてのユーザーに対しマルチプロセスモードが有効化される。ただし、互換性フラグが“false”に設定されているアドオンが有効な環境では、従来のシングルプロセスモードで実行される。

 さらに、マルチプロセスモードの「Firefox」と互換性がないと報告・確認され、互換性フラグが“false”に設定されていないアドオンは“非互換”とマークされ、無効化される。加えて、バイナリの読み込みは“Native Messaging API”を利用しているアドオンに制限される。

 また、「Firefox 53」がリリースされるタイミングで、“addons.mozilla.org(AMO)”におけるレガシーアドオンの新規受け付けが停止される。すでに登録されているアドオンのアップデートは可能だ。

「Firefox 54」(6月13日公開)~「Firefox 56」(10月3日公開)

 マルチプロセスモードの「Firefox 53」と互換性があるアドオンは、引き続き利用できる。ただし、「Firefox 54」でプロセスのサンドボックス化が開始され、セキュリティ強化による制限が厳しくなるほか、「Firefox 55」ではコンテンツプロセスのマルチプロセス化が始まる。そのため、一部アドオンで問題が発生する可能性がある。

「Firefox 57」(11月28日公開)

 「Firefox 57」では“互換性シム”と呼ばれるマルチプロセス移行の支援機能が無効化され、“WebExtensions”ベースの拡張機能しか利用できなくなる。

 “AMO”におけるレガシーアドオンの掲出と更新は引き続きサポートされるが、いずれ廃止される見込みだ。具体的なスケジュールは、現在のところ未定。