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コンテンツのマルチプロセス化を初めて導入した「Firefox 54」が正式版に

コンテンツプロセスを最大4つに絞るなどの工夫で「Google Chrome」と差別化

「Firefox」v54.0

 Mozillaは13日、Webブラウザー「Firefox」の最新安定版v54.0を公開した。「Firefox 54」では、コンテンツのマルチプロセス化(e10s-multi)が初めて有効化。ユーザーインターフェース部分とコンテンツ部分を分けるだけでなく、それぞれのコンテンツを表示するタブごとにプロセスを分離することで、高速性と安定性のさらなる向上が図られた。

 タブごとにプロセスを分ける手法をとるWebブラウザーとしては「Google Chrome」が有名だが、「Google Chrome」はメモリを過剰に消費する傾向がみられる。空きメモリを積極的に活用することは速度向上に資するが、その一方で、システムのメモリがWebブラウザーへ過剰に割かれてしまうと、他のアプリケーションの動作やシステム全体の動作に悪い影響を与えかねない。

メモリの過剰消費はかえって速度低下を招くことも(Mozilla Techブログより引用)

 そこで「Firefox」では、コンテンツのマルチプロセス化を図りつつも、コンテンツプロセスの数を最大4つに絞るなどの工夫でメモリ消費量を抑え、全体的なパフォーマンスを最大化しているという。

コンテンツプロセスを最大4つに絞るなどの工夫でメモリを削減(Mozilla Techブログより引用)
ダウンロードボタンとダウンロードステータスパネル

 そのほかにも、ダウンロードボタンとダウンロードステータスパネルの簡素化が図られている。

 なお、本バージョンでは24件の脆弱性が修正されているので注意。深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中最も高い“最高”が3件、2番目に高い“高”が12件、3番目に高い“中”が9件となっている。

 「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。