モリサワ、2017年秋にリリースする新しいフォント17書体を発表

モリサワ、2017年秋にリリースする新しいフォントを発表

　（株）モリサワは28日、2017年秋にリリースする新しいフォントを発表した。言葉によって形が変化する「みちくさ」や“墨だまり”を表現した「A1ゴシック」など全17書体をリリースするという。

「みちくさ」

「みちくさ」

　ふところを絞った骨格に、やわらかく現代的な肉付けを行った明朝体風のデザイン書体。多種多様な連綿体や代替字形が用意されており、縦組みの際にOpenType機能を使用することで“連綿体”などを呼び出せるのが最大の特徴。文脈に応じて文字の連なりが変化するのを楽しめる。

「A1ゴシック」

「A1ゴシック」

　「A1明朝」の基本となる骨格を参照して作成された、オールドスタイルのゴシック体ファミリー。線画の交差部分の墨だまり表現や、エレメントの端々に僅かな角丸処理を加えることで、温もりのあるデザインに仕上がっている。LからBまで4つのウエイトが提供される。

「Citrine（シトリン）」

「Citrine」

　20世紀初頭の活字から影響を受けたモリサワオリジナルのサンセリフ欧文書体。幾何学的な要素を取り入れつつも、レトロで優しい風合いをもつヒューマニストサンセリフを目指して作成されたという。「A1ゴシック」との相性も考慮されており、墨だまりや角丸処理といった共通のエレメントを採用しているのが特徴。ローマンとイタリックの各4ウエイトで展開され、98の言語と海外の表記ルールに対応する。“a”や“g”の異体字、数字のバリエーションなど、さまざまな代替字形も含まれている。

「きざはし金陵」

「きざはし金陵」

　中国・明代の南京国子監で刊行された『南斉書』をもとに復刻した「金陵」と、1893年に東京築地活版製造所で印刷された『長崎地名考』をもとに復刻した和字書体「きざはし」をマッチングした書体。線画や骨格を画一的に整備した近代の明朝体とは一線を画す、正統派のオールドスタイルの明朝体だ。

「秀英にじみ明朝」

「秀英にじみ明朝」

　2009年にリリースされた「秀英明朝 L」をベースに、活版印刷による紙面上でのインクのにじみを再現した書体。線画にランダムな揺らぎや太み、丸み処理を施すことで、やわらかい印象をもったアナログ感やレトロ感を演出している。

「黒曜」

「黒曜」

　見出し用に作成された、豪快でたっぷりとした黒みをもつデザイン書体。大胆な筆使いによる“はね”や“はらい”、線画の太細のコントラストが特徴と言える。無骨で力強いイメージを表現したいシーンや、題字などの大見出し、看板サインなどの利用に最適だ。

　なお、これらの書体は“MORISAWA PASSPORT”や“MORISAWA Font Select Pack”などの製品に提供される。クラウドフォントサービス“TypeSquare”でも利用可能だ。