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「Google Chrome 77」は新たなパフォーマンス測定の仕組み“LCP”を搭載 ~ベータ版でテスト中

Webページで重要なコンテンツがいつ表示されたかを計測

Chromium Blog

 米Googleは8月9日(現地時間)、現在ベータテスト中の「Google Chrome 77」で導入された新機能を発表した。パフォーマンス測定のための新しいAPIや新しいフォーム機能、“Origin Trial”ダッシュボードなどが目玉となっている。

 最近のモダンブラウザーでは、トリッキーな手法に頼らないパフォーマンス測定の標準化と導入が進んでおり、過去にも“First Paint(FP)”や“First Contentful Paint(FCP)”といった描画のタイミングを取得する仕組みが実装されてきた。「Google Chrome 77」ではこれらに加え、“Largest Contentful Paint(LCP)”が取得可能になる。

 “LCP”はビューポートに表示されている最大のコンテンツ要素、つまり閲覧ページで重要なコンテンツがいつ表示されたかを計測できる。リソースが読み込まれてレンダリングが開始されるまでだけでなく、そのあとユーザーにとって意味のある状態にまで表示が完了するまでの時間を把握することは、Webページの使い勝手を改善する上で重要だ。そのほかにも「Google Chrome 77」では“PerformanceEventTiming ”などのパフォーマンス指標を入手できる。

“Largest Contentful Paint(LCP)”

 次に、新しいフォーム機能が導入された。Webサイトの多くでは入力検証などのために、組み込みのHTMLフォームコントロールを拡張している。これはJavaScriptだけででは標準コントロール相当のカスタムコントロールを実装するのが困難だからだ。しかし、新たに導入された“formdata”イベントやフォームに関連付けられたカスタム要素APIを利用すれば、そうした制限が一掃される。入力検証のエラーメッセージを隠し要素として持つといったトリッキーな方法は不要になるだろう。

 そのほかにも、Web標準候補となっている機能をテストする“Origin Trial”へ簡単に登録するためのダッシュボードが導入された。「Google Chrome 77」では、新たな“Origin Trial”としてスマートフォンで連絡先を選択する“Contact Picker API”などがテスト可能となる。

“Origin Trial”のダッシュボード