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Google検索のクローラー「Googlebot」のUA文字列が変更へ

12月以降は「Google Chrome」の更新に合わせバージョン番号を定期的に更新

“Google ウェブマスター向け公式ブログ”でのアナウンス

 米Googleは11月22日(現地時間)、「Googlebot」のユーザーエージェント文字列を変更すると発表した。12月以降は「Google Chrome」の更新に合わせ、バージョン番号を定期的に更新していくという。

 「Googlebot」は、Google検索の検索結果に掲載するWebページを収集(クロール)するプログラム。デスクトップ向けのWebページを集めるデスクトップクローラーとモバイルデバイスで閲覧した状態をシミュレートして収集するモバイルクローラーの2種類が存在するが、そのレンダリングには「Google Chrome」ベースのWebブラウザーが利用されている。つまり、Googleの検索結果に掲載されるようにするには、「Google Chrome」で意図した通り、高速に表示され、キーワードが収集されていることが重要となる。

 ユーザーエージェント文字列は、アクセス先のWebサーバーにデバイスとWebブラウザーの情報を伝えるために利用されており、「Googlebot」の場合は以下のような形式だった。

  • モバイル:Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/41.0.2272.96 Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
  • PC:Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) または Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) Safari/537.36

 12月以降、これらのユーザーエージェント文字列は以下のように変更される。

  • モバイル:Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/W.X.Y.Z Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
  • PC:Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) または Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) Chrome/W.X.Y.Z Safari/537.36

 “ W.X.Y.Z ”の部分は「Googlebot」で利用されている「Google Chrome」のバージョンに合わせ、定期的にアップデートされる。同社によると、この変更により影響の出るWebサイトはほとんどないとのことだが、従来のユーザーエージェント文字列を前提としてWebブラウザーの種類・バージョン判別を行っているWebサイトには影響が及ぶ可能性もある。

 同社はユーザーエージェント文字列でWebブラウザーの種類やバージョンを判別するのではなく、Webサイトで利用したい機能をWebブラウザーが持っているかどうかを逐次調べる方法を推奨している。もしこの方法がとれないのであれば、ユーザーエージェント文字列で“Googlebot”を検索するとよいようだ。