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「OpenPGP」がデフォルトで有効化された「Thunderbird 78.2.1」がリリース
「GnuPG」や「Enigmail」アドオンを導入しなくてもデジタル署名と暗号化メールが扱える
2020年8月31日 15:20
オープンソースのメールソフト「Thunderbird」の最新版「Thunderbird 78.2.1」が、8月29日(米国時間)に正式公開された。本バージョンの目玉は、「OpenPGP」がデフォルトで有効化されたこと。セキュリティ修正の案内はない。
従来の「Thunderbird」でデジタル署名と暗号化されたメールを扱うには、「GnuPG」や「Enigmail」アドオンといった外部ツール導入する必要があった。一方、「Thunderbird 78」では「OpenPGP」が標準でサポートされており、「Thunderbird」本体でデジタル署名と暗号化メールが扱える。「OpenPGP」ではファイルを暗号化する公開鍵とそれを復号する秘密鍵の2つを用いるが、これを管理するユーザーインターフェイスも用意されている。
「OpenPGP」の鍵を生成するには、まず画面右上のハンバーガーメニュー(横三本線のアイコン)をクリックして[ツール]項目を選択し、[OpenPGP 鍵マネージャー]ダイアログへアクセスする。次に[生成]-[新しい鍵ペア]メニューを選び、「OpenPGP」の鍵ペア(公開鍵・秘密鍵)を生成しよう。メールを暗号化するには公開鍵が必要となるので、鍵が生成されたら右クリックメニューから暗号化メールの送信者へメールで送信しておくとよい。
暗号化メールを作成するには、メールの新規作成画面のツールバーにある[セキュリティ]ボタンを利用する。プルダウンメニューで公開鍵の添付・デジタル署名・暗号化の有無を設定できる。受信した暗号化メールは、[OpenPGP 鍵マネージャー]ダイアログに鍵が登録されていれば自動で復号されるようだ。メールメッセージに電子署名が付与されている場合は封書アイコンが、暗号化されている場合は鍵アイコンが表示される。
「Thunderbird」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、Windows版はWindows 7/8/10/Server 2008 R2で利用可能。「Thunderbird 68」系統からの自動更新は今のところ提供されておらず、利用したい場合は“thunderbird.net”からダウンロードしてインストールする必要がある。「Thunderbird 78」ではレガシーアドオンのサポートが打ち切られているため、移行の際は注意したい。