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「Vine Linux」のリリースが終了、国内のLinux普及に大きく貢献

開発版の「VineSeed」のみ継続

「Vine Linux」のリリース終了告知

 Project Vineは5月4日、「Vine Linux」のすべてのリリース版について終了を宣言した。次期バージョン「Vine Linux 7」の公開予定はないという。

 「Vine Linux」は、コンパクトで軽量な国産Linuxディストリビューション。日本語の扱いに難があるディストリビューションが少なくなかったLinuxの黎明期において、初めから日本語に対応していた「Vine Linux」は扱いやすく、コミュニティでの情報交換も容易であった。国内のLinux普及にもっとも貢献したディストリビューションのうちの1つといえるだろう。

 しかし、2000年代前半以降は他のディストリビューションでも日本語が容易に扱えるようになったほか、初心者向けにインストーラーを改良したディストリビューションが増えたこともあり、人気は次第に低下。開発チームによるとここ10年、関係者が利用しているのは開発版の「VineSeed」のみになっていたという。

 現在の最新版は、2017年にリリースされた「Vine Linux 6.5」(Poupille)。最近はリリース版「Vine Linux」のメンテナンスに名乗りを上げる人もほとんどいなかったとのことで、終了はやむを得ない措置といえるだろう。

 一方、「VineSeed」の開発は細々とではあるが継続しているとのこと。今のところ終了の予定はないようだ。