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Windows 3.1から続く超老舗ファイラー「Total Commander」がv10.0に到達
「Windows Hello」に対応するなどナウい改善も
2021年6月15日 11:00
瑞Ghisler Softwareは6月10日(現地時間)、「Total Commander」v10.00を公開した。Windows 3.1時代から開発が続く老舗の2画面ファイルマネージャーが、とうとう「v10」の大台に達した。
「Total Commander」は、2ペインスタイルのタブ切り替え型ファイル管理ツール。1993年から開発が続けられている老舗のソフトで、当初は「Windows Commander」と呼ばれていたが2002年夏、Microsoftとの商標トラブルを避けるため現在の名前へ変更された。デスクトップ版のほかにも、Android版(とWindows ストアアプリ版)が利用可能。過去にはPocket PC/Windows CE向けも開発されていた。
最大の特徴は、2つのファイル一覧画面を左右(または上下)に並べて表示できること。フォルダーの内容を見比べたり、ファイルを移動・コピーするといった操作が簡単に行える。FTP/FTPSクライアント機能やフォルダーの同期機能、書庫ファイルの圧縮・展開機能、強力なリネームツールなどを内蔵しているため、複数ドライブやローカル・リモートをまたいだファイルの管理に向いている。タブの切り替え機能やナビゲーションを助ける履歴・お気に入り、画像や動画の内容をチェックできるクイックビューパネルなども便利だ。
また、豊富なプラグインで機能を拡張できるのも大きな特徴。マニア向けのニッチなプラグインがそろっているところは、さしずめファイラー界の「Susie」といった趣だ。キーボードだけで主要な機能が利用できる点や正規表現による検索機能を備える点も、上級者向けといえるだろう。
ちなみに、本ソフトは37ユーロ(税別)のシェアウェア(日本円での支払いは税込み5,409円)だが、とくに試用期間は設けられていない。起動時に購入を促すメッセージが表示されるのみだ。また、日本語のUIリソースは含まれていないが、追加で言語ファイルをダウンロードして追加すればメニュー項目の日本語化は可能。簡単なチュートリアルも日本語で用意されている。
メジャーバージョンアップとなる本バージョンでは、ユーザーインターフェイスや設定の保存、ファイルのリストアップ、フォルダーの同期、コンテンツの比較、チェックサムの確認、内部コマンドなどにわたり多くの改善が施された。なかでもFTP/FTPS接続情報をマスターパスワードで保護する機能で「Windows Hello」が利用できるようになったのは興味深い。わざわざパスワードを入力しなくても、PINや指紋認証、顔認証などでロックを解除できる。
また、セットアッププロセスもモダン化された。以前は「c:totalcmd」にインストールされていたが、最新版は基本的に「c:Program Filestotalcmd」へインストールされる。
ソフトウェア情報
- 「Total Commander」
- 【著作権者】
- Christian Ghisler 氏、Ghisler Software GmbH
- 【対応OS】
- 32bit版はWindows 95以降、64bit版はWindows XP以降
- 【ソフト種別】
- シェアウェア 37ユーロ(税抜き)
- 【バージョン】
- 10.00(21/06/10)