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「Google Chrome」におけるサードパーティ製Cookieの廃止は2023年後半

2022年後半までに「Privacy Sandbox」関連のAPIを開発者コミュニティへ提供

「Google Chrome」におけるサードパーティ製Cookieの廃止は2023年後半

 米Googleは6月24日(現地時間)、「Google Chrome」におけるサードパーティ製Cookieのサポート廃止を延期すると発表した。同社はサードパーティ製Cookieに代わる手段として「Privacy Sandbox」と呼ばれる仕組みを提案しているが、エコシステム全体でこの取り組みを正しく進めるためには、より多くの時間が必要だと判断したという。

 サードパーティ製Cookieは関連性の高い広告やコンテンツの配信やその効果の測定など、さまざまな分野で用いられている。しかし、一方でユーザーの閲覧行動が筒抜けになるのではというプライバシー保護の点からの批判も多い。実際、不必要なまでにユーザー情報を収集したり、それを第三者に販売するという悪質なケースも見受けられる。

 Webブラウザーのなかには、これを問題視してトラッキング技術を制限したり、ブロックするプライバシー保護技術を積極的に取り入れているものもあるが、Googleは自社の収益が広告に依存していることもあり、比較的保守的な立場で、コンテンツ制作者の利益とのバランスを考慮しながら、責任あるペースで行うべきだと考えている。

 新しいロードマップによると、「Chrome」におけるサードパーティ製Cookieのサポート廃止は2つのフェイズで段階的に実施される。第1段階は「Chrome」でテストされている「Privacy Sandbox」関連のAPIが利用可能になった段階で開始される予定。2022年後半までに主要技術を展開し、開発者コミュニティが採用を開始できるようにすることを目標にしているという。

  • ステージ1(2022年後半に開始):パブリッシャーと広告業界に移行の猶予を与えるため、9カ月間の経過観察を行う
  • ステージ2(2023年中程に開始):「Chrome」でサードパーティ製Cookieのサポートを3カ月かけて段階的に廃止。2023年後半に完了